【世界初の縦型投影対応】PicoPlay+を徹底レビュー【使いやすいボトル型のモバイル機】

PicoPlay+

みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクタです。今回はJMGOから発売された最新のモバイルプロジェクター「PicoPlay+」をレビューしていきます。

PicoPlay+の特徴

・モバイル機最軽量クラスの740g

・フルHD/450ISOルーメンの美しい映像

・Google TV/スピーカー搭載のオールインワンモデル

・世界初の縦型投影機能を搭載

・バッテリーは非搭載

本気はモバイル機としては珍しく、バッテリーを内蔵していません。その代わりに、モバイル機の中では最高クラスの携帯性と、十分な明るさを両立しています。重さ740gは相当軽く、例えば旅行などの際にカバンに入れて歩いても全然負担にならないレベルです。

PicoPlay+を手に持つ
片手で持てるボトル型

PicoPlay+は旅の相棒として、かなりおすすめできるプロジェクターです。以下で本製品の魅力を徹底的に紹介していきますよ。

目次

PicoPlay+のスペック

スペック

以下は主要なモバイルプロジェクターの明るさスペックと重さの関係で、映像が明るくなるほど、本体が重くなるというジレンマが存在します。今回のPicoPlay+は、バッテリーを省くことで、明るさと軽量性を両立。「簡単に持ち運べるのに明るい」という、モバイル機の中で独自のポジションをとっています。

PicoPlay+は明るいのに軽い

PicoPlay+と他のプロジェクターの特徴

「バッテリーがない」という部分は正直好みが分かれると思います。ただ、以下のように具体的な使用シーンを想定すると、屋外利用時以外は困らないことが想定できます。

バッテリー内蔵でないと困る?

・自宅 → 困らない
・旅館/ホテル → 困らない
・キャンプなどの屋外 → 困る

意外と困るシーンは少ないかも・・・

またモバイルバッテリーと組み合わせることで、実は屋外利用も可能です。

モバイルバッテリーを使用可能

バッテリー非搭載のデメリットよりも、小型軽量化のメリットの方が嬉しい人も多いのではないでしょうか。また、バッテリー分のコストも抑えられているため、モバイル機の中でも比較的購入しやすい価格設定になってるのも良い点です。

本体と付属品を確認

PicoPlay+の箱
PicoPlay+の箱

マットな艶消し調のブラックボディーはデザインと質感がよく、思わず手に取りたくなるような魅力があります。

PicoPlay+正面
正面

接続端子は背面にあります。USB-C給電なので、外出時はスマホやPCと電源を共有できるのは嬉しい。

USB-A×1、HDMI×1、USB-C(給電)×1

PicoPlay+背面
接続端子

上面にはタッチ式の操作ボタンがあるため、外出時にリモコンなしでも操作が可能です。

PicoPlay+上面
タッチボタン

底面には3脚用の1/4インチネジ穴があります。

PicoPlay+底面
底面

本体は最大88度回転可能で、天井投影にも対応。他の小型モバイル機と違い、3脚なしでも角度調節できるのは強みでしょう。

PicoPlay+角度調整機能
最大88度回転

サイドのLEDライトはカラーと光り方を設定可能。もちろん、気に入らない場合はOFFにすることも可能です。

PicoPlay+のライト(デフォルト)
デフォルトカラー
PicoPlay+のライト(ブルー)
パターン/色は変更可能

重さは740g。ウエストポーチにも簡単に入る小型サイズです。

PicoPlay+のストラップ
ストラップ付き
PicoPlay+とポーチ
ポーチにも簡単に入る

付属品は以下の通り。

リモコン、オーロラフィルター、キャリーバッグ、給電用USB-Cケーブル、説明書

PicoPlay+の付属品
付属品

PicoPlay+の映像を確認

様々な角度から、映像を徹底的に確認していきます。

  • 明るさ
  • 輝度均一性
  • カラープロファイル測定
    (「ホワイトポイント」「色域」「RGBプロファイル曲線」)
  • コントラスト比
  • ピント性能
ジェクタ

画像はタップで拡大できます

明るさは450ISOルーメン

ライト強

明るい部屋

ライト弱

少し明るい部屋

暗室

暗室
PicoPlay+明るい部屋の映像
PicoPlay+少し明るい部屋の映像
PicoPlay+暗室の映像

450ISOルーメンはモバイル機の中ではなかなかの明るさ。明るい部屋での使用は難しいものの、暗室では大画面でも鮮やかな映像を投影できます。

輝度のムラは少ない

PicoPlay+の輝度分布
画面輝度の分布

照度計を用いて白画面9ヶ所の輝度を測定し、明るさのムラを確認。明るさの平均値は97で、画面全体の輝度はかなり均一です。カラーやコントラストが一貫した心地よい映像が見れますよ。

カラープロファイルの測定

CalibriteのDisplay Plus HLを使って、「ホワイトポイント」「色域」「RGBプロファイル曲線」「ネイティブコントラスト比」の測定を行います。

なお測定結果は、スクリーンの特性や、測定器の設定・精度に影響を受けるので、あくまで参考としてご覧ください。また、SDR信号での測定結果になります。HDRコンテンツ視聴時は、結果が異なる可能性があるので、ご留意ください。
測定条件ガンマ設定2.2、ホワイトポイントの目標は規定値、ゲイン1.1のホワイトスクリーンを使用

ホワイトポイント

Q.ホワイトポイントとは?

画面上で白色がどのように表示されるかを定義する基準のことです。
標準的なホワイトポイントは6500Kがよく使われ、これよりホワイトポイントが低いと画面が暖色寄り、高いと寒色寄りの印象になります。

色温度の目安
ホワイトポイントのイメージ

▪️暖色 → ◯温かみがある、落ち着く ✖️古い感じ、野暮ったい
▪️寒色 → ◯新しいイメージ、かっこいい ✖️無機質な感じ、冷たい

ホワイトポイントは6500Kが中立ですが、外部照明の状況や映画のトーン、好みで使い分けられます。

Q.色域とは?

プロジェクターの色域とは、表示可能な色の範囲を示す指標です。色域が広いほど鮮やかで豊かな色表現が可能になり、映像の正確性や美しさに影響を与えます。

色域には様々な規格があり、コンテンツ毎に使い分けられています。

メジャーな色域規格
色域の例
色域特徴
sRGB/Rec.709一般的なディスプレイ、テレビ、ウェブ標準、youtube(非HDR)、Blu-ray
DCI-P3映画、HDR映像、4K UHD Blu-ray、Youtube(HDR)
BT.2020自然界の色の99.9%を再現。実際のHDR映画はBT.2020の枠組み内にP3で格納されている場合が多く、その色域はフル活用されていないのが現状。
Q.コントラスト比とは?

最も明るい白(ホワイト)と最も暗い黒(ブラック)の輝度の比率を表します。例えば、「2000:1」のコントラスト比なら、白の明るさが黒の明るさの2000倍であることを意味します。

コントラスト比が高いほど、映像の奥行きやメリハリが増し、細かいディテールが見えやすくなります。

コントラスト比の説明
コントラストのイメージ

以下は映画モードの測定値。

画像モードホワイトポイント
※6500Kが標準
ネイティブコントラスト比
※大きい方が好ましい
色域
青が測定値、緑はRec.709規格
RGBプロファイル曲線
※3色が重なり、直線が好ましい
映画7183K416:1PicoPlay+映画モードのカラープロファイルPicoPlay+映画モードのRGBプロファイル曲線

映画モードは色域がYouTubeやTV標準のRec.709に調整されており、彩度の不足は感じません。RGBのバランスも良好でした。

PicoPlay+100インチの映像
暗室100インチの映像

コントラスト比は実測値で416:1と、スペック値(400:1)とほぼ同じになりました。LEDのモバイル機としては標準的な値で、夜景も違和感がないです。

PicoPlay+で投影した夜景
PicoPlay+で投影した夜景

ピント性能を確認

画面にとても小さい文字を投影して、ピント性能と解像度をテストします。

測定方法
解像度のテストパターン
100インチ画面
中央+4隅でテスト
解像度の評価方法
潰れて読めない文字があればアウト

・レベル1〜10のどのサイズの文字まで潰れずに読めるかを目視で判定。

・解像度により、読み取れる文字サイズの限界があります。
 フルHD → 「6」が限界
 4K → 「4」が限界

以下は測定結果です。

画面中央

解像度テスト/画面中央

画面左上

解像度テスト/画面左上

スコア(何番まで読み取れるか)

左上左下中央右上右下
99899
数字が小さい方が良好
本機はフルHDなので、理論上の限界はスコアは「6」

中心と比べると、やや4角は解像感が下がる印象でした。モバイル機としては標準的なピント性能の印象でした。

画質の評価まとめ

Good

・モバイル機としては十分な明るさ
・Rec.709をほぼカバーする色域
・輝度の均一性が高い

Bad

・ピント性能は並み

モバイル機として申し分ない映像を投影します。自宅はもちろん、旅行先や友達の家で、これだけ綺麗な映像をお手軽に写せるのはかなり満足度が高いです。

PicoPlay+で映像を投影
どこでも綺麗な映像を投影

PicoPlay+の音質を確認

PicoPlay+の音質を確認

スピーカーは8W×1機でDolby Audioに対応。縦置きにすることでBluetoothスピーカーモードに自動に切り替えられるので、昼間は音楽を聞くためのスピーカーとしても使えます。※縦置き時は排熱口が塞がるため、縦置きでの映像投影は非推奨

スピーカーは音割れや籠りもなく実用レベルで、音量も広い部屋でなければ十分。円筒形状のおかげか、どの方向にいても音が聞き取りやすく感じたのも好印象です。

世界初のスマホ縦画面投影機能

JMGO専用APPを使用した状態でミラーリングを行うことで、スマホの縦画面をそのまま投影できます。これは世界初の機能とのことです。

PicoPlay+で縦画面投影

なお、縦投影は底面の排熱口を塞がないよう、スタンド等で浮かせた状態で行う必要があります。専用のバッテリー内蔵スタンドは縦投影に最適な設計になっているので、合わせて検討したいオプションです。

Youtubeのショート動画、インスタグラムやTicTokなど、縦型動画をフルクオリティーで楽しめるのはうれしいですね。また、縦型投影は店舗やイベントなどの限られたスペースでPRを行いたい場合も有効だと思います

縦画面投影は狭いスペースでも活躍する
縦型投影は狭いスペースでも効果的に映像を映せる

オーロラフィルターで空間アレンジ

オーロラフィルター
オーロラフィルター
オーロラフィルターをプロジェクターに装着
本体に装着

オーロラフィルターを装着することで、空間演出が可能。YouTubeで作業用BGMをかけるときに、ついでに使うと面白い機能だと思います。

オーロラフィルターによる空間演出

PicoPlay+の使用感を確認

排気音はとても静か

騒音値のスペックは26dB。これは鉛筆の筆記音より静かなイメージなので、排気音が気になることはほぼありません。

画面補正はほぼリアルタイム

自動フォーカス/自動台形補正

フォーカスと台形補正は全自動。本体の動きに合わせ高速で処理を行うので、ストレスフリーで使いやすいです。

安心と信頼のGoogleTV搭載

GoogleTV

GoogleTVは対応アプリ数が多く、最も安心ができる内蔵OSです。YoutubeやプライムビデオやTVerなどはもちろん、デバイスの認証が必要なNetflixにもしっかりと対応しています。

ゲームモード搭載で低遅延

入力遅延の目安
測定周波数画像モード入力遅延
フルHD60HzゲームモードOFF61.6ms
ゲームモードON22.3ms
※高速モードでは、台形補正不可の代わりに処理が高速化される

ゲームモードの適応で、遅延は22.9msまで高速化できます。1フレームは16.6msなので、遅延は2フレーム以内で、ほとんど体感できないレベルです。

どこでも綺麗に投影できる!旅行にも最適

PicoPlay+を楽しむ

モバイル機で最高クラスの映像と、携帯性を両立した嬉しい一台。これだけコンパクトなボディーに、実用レベルのスピーカーと、GoogleTV、角度調整機能まで備わっているので、非常にお手軽に使えます。バッテリーを搭載してない点は好みが分かれると思いますが、そこさえ問題なければモバイル機として最良の選択肢になりえます。

縦型投影やオーロラフィルター、LEDライトなど、使っていて楽しい機能もあり、触るほどに愛着の湧く一台です。簡単に持ち運べるモバイル機を探している人に、非常におすすめです。

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この記事を書いた人

プロジェクターレビュー実績50機以上。
AV家電アドバイザー資格あり。

ホームシアターで見た映画は400本以上で、使用者の目線に立った実用的な考え方で実機レビューを行います。

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