モバイルプロジェクターは缶形状のNebula Capsuleシリーズ、薄型のカベーニシリーズなど、ユニークな商品が沢山ありますが、天井投影に特化した製品が、BenQのGVシリーズです。
そして新たに発売されたレーザー光源のGV50は、シリーズの集大成と呼ぶにふさわしい完成度を誇っています。
- フルHD、レーザー光源、500ANSIルーメンの美しい映像
- 4W×2ステレオスピーカー+10Wサブウーファーのパワフルな音
- 垂直・水平回転機構+自動画面補正で、どこでも簡単に投影
- GoogleTV搭載で、Netflixにも対応
- スリープタイマー搭載で寝落ちOK
これまで50機以上のプロジェクターをレビューしてきましたが、映像・音は気楽に使えるモバイル機の中でトップクラス。
天井投影が簡単なので、ベッドサイドのお供に最適な製品ですよ。
GV50のシリーズでの位置付け
GV50 | GV31 | GV30 | GV11 | |
---|---|---|---|---|
価格※ | 119,800円 | 110,900円 | 69,800円 | 49,800円 |
光源 | レーザー | LED | LED | LED |
投影方式 | DLP | DLP | DLP | DLP |
明るさ | 500 [ANSIルーメン] | 300 [ANSIルーメン] | 300 [ANSIルーメン] | 200 [ANSIルーメン] |
解像度 | フルHD (1920×1080) | フルHD (1920×1080) | HD (1280×720) | FWVGA (854×480) |
フォーカス | 自動 | 自動 | 自動 | 手動 |
台形補正 | 垂直/水平自動 | 垂直自動 | 垂直自動 | 垂直自動 |
スピーカー | 4W×2 (スピーカー) 10W (ウーファー) | 4W×2 (スピーカー) 8W (ウーファー) | 4W×2 (スピーカー) 8W (ウーファー) | 5W×1 |
動作音 | 28dBA(標準) 26dBA(エコ) | 28dBA(標準) 26dBA(エコ) | 29dBA(標準) 27dBA(エコ) | 25dBA(標準) 25dBA(エコ) |
バッテリー | 動画2.5H | 動画3H 音楽5H | 動画2.5H 音楽4H | 動画2.5H 音楽4H |
OS | GoogleTV (Netflix正式対応) | Android TV11.0 (Netflix正式対応) | Android TV10.0 | Android TV10.0 |
スリープライマー | 搭載 | ー | ー | ー |
端子 | HDMI USB-A USB-C AUX | HDMI USB-A USB-C AUX | HDMI USB-C AUX | HDMI USB-A AUX |
重量 | 約2,100g | 約1,700g | 約1,600g | 約970g |
サイズ | 120 x 195.8 x 185mm | 131.3 x 203.2 x 191.4 mm | 120 x 196 x 185 mm | 113.5 x 153.3 x 140mm |
専用ケース | なし | 別売り | 付属 | 付属 |
商品リンク | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 |
GV50はシリーズ初のレーザー搭載モデルです。これにより、従来と同等のサイズ感でより明るく、陰影にメリハリのある映像を楽しめるようになりました。
また、水平台形補正の対応、スリープタイマー機能の搭載により使いやすさに磨きがかかっています。
簡単に美しい映像と音を楽しめる、天井モバイル機の決定版です
本体と付属品を確認
箱はこのような感じ。
正面にはレンズと、画面調整用のセンサー。レンズ周りのブルーの縁取りがアクセントになっています。
上部には操作ボタン。今回から、操作スティックが追加され、リモコンなしで画面操作が可能になりました。
黄色いストラップはカラーのアクセントに。持ち運びに便利。
2.1chスピーカーは両側面と、背面にあります。
どの方向に座っても、音が聞こえるわ
接続端子は、必要なものが一通り揃ってます。
イヤホンジャック、USB-A、HDMI、USB-C、電源
台座への取り付けは、突起を本体側面の溝にかちっとはめます。
本体の角度調整は自由自在。従来の縦方向の動きに加え、横方向の回転も可能になりました。
また底面には折りたたみのスタンドがあり、本体を傾斜させることが可能に。これは天井投影に便利で、側面から視聴者の真上に向け、最小限の台形補正で映像を投影できます。
どんな間取りでも、対応しやすい!
高さはペットボトルと同じくらいですが、重さは2.1kgでモバイル機としては重めです。気楽に外へ持っていけるサイズではないので、自宅でじっくり映像を楽しみたい人向けの製品でしょう。
専用台座はとてもコンパクト。台座の直径は約13cmで、一般的な小型三脚より設置場所を取りません。
この通り。ベッドサイドにも簡単に置けます。
付属品は以下の通り。海外用のコンセントプラグも付属しています。
リモコン、単4電池(リモコン用)、電源アダプター、取説
本体の映像を確認
100インチの映像で、以下の4つのポイントを確認。
- 明るさ
- 色味
- 解像度
- 壁投影、天井投影の映像
写真をタップで拡大できます
夜なら大画面でも十分な明るさ
とても明るい部屋
GV50
少し明るい部屋
GV50
暗室
GV50
500ANSIルーメンは、明るい部屋で使うには厳しい明るさですが、夜間は大画面でも映像が鮮やかです。
寝る前に見るのにちょうどいい
Rec709カバー率92%のカラー
元画像
GV50
元画像
GV50
色域はハイビジョンテレビの標準規格であるRec709を92%カバーします。格安プロジェクターは色域の記載がないものが多いので、ここを明記している機種は信頼性がグッと上がります。
デフォルト設定の色味は自然で、とても見やすい映像に感じました。また、レーザー光の映像は陰影が濃く、メリハリのある印象なのが印象的でした。
黒は深く引き締まっています
小さい文字も読める
フルHDの映像は高精細で、小さい文字を問題なく読み取ることができます。
画面角は若干光量が低下しているようにも見えますが、気になるほどではないです。ゲームの文字や映画の字幕も読み取りやすいですよ。
壁投影、天井投影の映像
本機はスクリーンだけでなく、天井や壁のどこでも簡単に投影できます。
まず、寝室の壁に投影。5.5畳の部屋ですが、90インチ位で投影ができました。
500ANSIルーメンは、結構鮮やかですが目が疲れない。寝室で映すのに絶妙な明るさですね。
今度は天井投影をしてみましょう。
プライベートな大画面は、1日の締めくくりのご褒美になります。床から投影すれば、結構画面は大きくできて、上の写真で70インチくらいです。
いい夢が見られそうね
スピーカーは重低音にさらに磨きがかかる
他のモバイルプロジェクターと大きな違いを生んでいるのは、2.1chである点でしょう。
4W×2機のスピーカーと、10Wウーファーによる計18Wのパワフルな音は、寝室のみならず、リビングの仕様にも適応できます。
特に低音を強調するウーファー出力は前機種から2W向上し、前モデルのGV31と比べても音に厚みが増しました。
モバイル機とは思えぬ高音質
また、今回から新たに天井投影に最適化された「天井シネマ」モードを搭載。こちらは使用すると天井投影時にサラウンド音声が最適化。枕元に置いて使ってみましたが、比較的小さなボリュームでも音が聞きやすいように感じました。
GV50の使用感を確認
起動時間は58秒
OS内蔵プロジェクターは、大体45秒くらいが標準なので、それに比べると少し遅めです。ただ、そこまで気になるほどではないと思います。
排気ファンの音はとても静か
騒音は標準モードで28dBA以下、エコモードで26dBA以下。
騒音dBA | 目安 |
---|---|
40〜45 | 市内の深夜、図書館内 、静かな住宅地の昼 、 しとしと降る雨 |
30〜35 | 郊外の深夜、病室内、落葉の音 |
↕︎GV50の騒音レベル↕︎ | |
20 | 木の葉のすれ合う音 、騒音計測定限度 |
かなり騒音レベルは低いので、本体スピーカーの音でかき消されるレベルです。映画を見てる間は、全然気になりませんでした。
画面調整は使い勝手が大幅に向上
本体の回転に合わせて、フォーカスと自動台形補正を実行してくれます。前モデルは垂直方向の補正のみでしたが、今回から水平/垂直方向の補正が可能になり、より使い勝手が向上しました。
投射比は1.2
画面距離と、スクリーンサイズの関係を表す投射比は1.2。
投射比 = 投影距離 ÷ 投影画面の横幅
ちょっとややこしいので計算は割愛しますが、インチ数と投影距離の関係は以下の通りです。
投影距離[m] | 画面サイズ[インチ] |
---|---|
約1.59m | 60 |
約2.13m | 80 |
約2.66m | 100 |
約3.19m | 120 |
購入前に、配置を考える際の参考にしてください。
リモコンは軽量化し、機能が一新
リモコンはGV31から約20%小型化され、操作性は向上した印象を受けました。ボタンが光らなくなったのは残念なポイントですが、使用頻度の少ないボタンは排除され、人気の動画アプリへの直通ボタンが追加されました。
・重さ56gで軽量
・Youtube、Netflix、プライムビデオ直通ボタンの追加
・薄型、面取りデザインで手に馴染む
上面の角が面取りされているので、手に馴染みます
Google TVはアプリ数も操作性も◎
Youtube、プライムビデオ、TVerなど、幅広くお馴染みのアプリを利用可能です。
Netflixにも正式対応!
Google TV一番の魅力は、動画配信サービスの垣根を超えた、ユーザーフレンドリーなホーム画面です。
・ホーム画面におすすめ作品を、様々な動画サービスからピックアップして表示。
・複数の配信サービスを跨いだ作品検索が可能。サービス毎に検索を行う手間が省ける。
数ある内蔵OSの中でも、Google TVは使い勝手に優れた最先端のシステムでしょう。
スマホの映像を共有できる
Apple AirPlayおよびGoogle Chromecastに対応しているため、様々なスマホやタブレットの映像をワイヤレスで投影できます。また、iPhoneはプロジェクターのAirScreenアプリを使うことで、画面のミラーリングが可能です。
最近のスマホはカメラの性能が高いので、大画面で写真を見ると意外に綺麗で驚きますよ。
50cmの落下耐性あり
耐衝撃に優れた形状は、他メーカーにはないBenQ独自の強みでしょう。
特にモバイル機は、ついぶつかり倒してしまうリスクがあるので、安心感のある設計なのは嬉しい。ボタンの突起を抑えた作りは、折れにくくなるような工夫の一つです。
※落下による故障が起こらないことを保証するものではありません
スリープタイマー搭載で寝落ちOK
寝る前に映画を観てると、寝落ちは日常茶飯事ですよね。
睡眠時にプロジェクターがついていると、睡眠の質は下がり、電気代もかかるのでいいことはないです。
ベッドサイドの使用に最適化されたGV50は、スリープタイマーを搭載。最大120分まで任意の時間設定が可能なので、寝る前の使用も安心です。
低遅延でゲームは快適
GV50は低遅延のゲームモードを搭載。
・ゲームモード(通常):台形補正可能
・ゲームモード(ブースト):台形補正不可だがさらに低遅延
スペックによると、入力遅延は22.4ms(@1080p60Hz)。
実際にLeo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」を使ってゲームモード(ブースト)の入力遅延を測定してみたところ、遅延は28.1ms(@1080p60Hz)とスペック値に近い結果になりました。
実際スマブラやマリオをプレイしてみましたが、遅延は感じませんでした。
1フレームを争うような対戦ゲームでない限りは、十分快適にプレイできますよ。
USB-Cは万能の端子
USB-C端子は充電、給電、データ受信も可能。
なお、充電や給電は、本体性能に合わせたケーブルや充電器が必要になります。
PD 入力 20V-2.25A から 5A
PD 出力 5V-2A、9V-2A、12V-1.5A、15V-1.2A
充電
他のデバイスとケーブルを共有できるので、これはありがたい。配線もスッキリします。
給電
スマホやPCを充電するバッテリーとしても使えます。
普段は使わないと思いますが、キャンプなどの外出時など、いざという時役に立つと思います
映像入力
DP Altモード対応なので、映像データを送信可能です。
例えば、任天堂SWITCHをUSB-Cケーブル一本で接続すれば、わざわざドッグを用意しなくてもいいので便利ですよ。
なお、接続にはDisplay Port Altモード対応ケーブルを使用してください。通常のケーブルは充電専用のみで、データ送信できない場合があるためです。
GV50のメリット・デメリットまとめ
前モデルのGV50から、着実な進化を感じました。
特に、レーザー光による映像の進化、台座の上下135度回転に加えて水平360回転に対応したことによる操作性の向上は、大きなポイントでしょう。
「思い通りの位置に、美しい映像を映す」。ここにおいてはモバイル機でGV50の右に出る機種はないと思いました。また、モバイル機といえど映像は本格的なので、スクリーンを用意しての映画視聴にも使用できます。
寝る前の天井投影は至福のひととき!良い気分で1日を終えられますよ。
寝室のお供として、最適なプロジェクターよ
Youtube動画でも紹介しました
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