みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクタです。今回はEPSONのランププロジェクターの究極系とも呼べる製品、EH-TW7100をレビューしていきます。
・4K/3LCD の高精細な映像
・ランプ光源で、3000lmの明るい映像
・レンズシフト/光学ズーム搭載で設置性が高い
・本体サイズはやや大きめ
10万円台で3000lmは破格の明るさのため、本格シアアターをなるべく低予算で作りたい場合は最もコスパの良い選択肢だと思います。ランプ×3LCD技術はエプソンが長年培ってきた技術ということもあり、映像の安定感は抜群。ランプの自然で味わい深い色合いはレーザーにはない魅力もあり、ファンも多い一台です。

実際に製品を触ってみてのメリットとデメリットをしっかり解説していきますので、ぜひプロジェクター選びの参考にしてください。
EH-TW7100のスペック
価格 | 197,655円 ※記事執筆時のAmazon価格 |
光源 | ランプ |
方式 | 3LCD |
明るさ[ルーメン] | 3000 |
コントラスト比 | 100,000:1 ※カラーモード「ダイナミック」、明るさ切替「高」、「オートアイリス」オンかつ、ズームがワイド端の時 |
解像度 | 4K UHD (3840×2160) |
画像モード | HDR10、HLG |
投影距離 | F値1.49〜1.77(光学ズーム) 60インチ:175〜285cm 80インチ:235〜381cm 100インチ:295〜477cm 120インチ:354〜574cm 150インチ:444〜718cm 200インチ:593〜958cm |
台形補正 | 水平/垂直手動 |
フォーカス | 手動 |
レンズシフト | 上下対応 |
スピーカー | 10W×2 |
騒音 | 24db@(最小値) |
端子 | HDMI®×2(HDCP2.2)、RS-232C、トリガーアウト、USBタイプB(mini-B)、USBタイプA×1(2.0A給電専用端子)、USBタイプA×1、3.5mmAUX |
Bluetooth | 3.0 |
寸法[mm] | 410mm×310mm×157mm |
重さ[kg] | 約6.9kg |
EH-TW7100の本体と付属品を確認
デザインはTheエプソンのプロジェクターといった感じ。

レンズの外側に、ズームとフォーカス調整のつまみがあります。光学ズーム倍率は1.6倍です。

上面には簡易的な操作ボタンとレンズシフトのつまみ。

背面には各種接続端子。10W×2基のスピーカーを左右に搭載しています。

底面には天吊り用のネジ穴と、角度調整用のフロントフットがあります。

本体の重さは6.8kgで、サイズもなかなか大きいため基本的には場所を固定して使う製品です。

リモコンのサイズは結構大きめで、ボタンの種類はかなり多いです。

EH-TW7100の映像を確認
様々な角度から、映像を徹底的に確認していきます。

画像はタップで拡大できます
明るさ3000ルーメンはかなりの明るさ
ライト強


ライト弱


暗室








部屋のライト全灯でも視認できるくらい、映像は明るいです。暗室では眩しいくらいの光量で、迫力がある映像を投影します。10万円台の製品では明るさは突出していると思います。
輝度のムラは少なめ


照度計を用いて白画面9ヶ所の輝度を測定し、明るさのムラを確認。画面上側は若干輝度が低下する傾向が見られたものの、許容範囲だと思います。映画を見る上では、特に違和感は感じませんでした。
3LCDのカラー鮮やか


EPSONの3LCD方式は他社で主流のDLP方式と映像の特徴が違います。
3LCD → ◯カラーが鮮やか。レインボーノイズが発生しない。
DLP → ◯映像がシャープで、動きの速い映像も滑らか。
TW7100は職場や学校でよく目にするランプの3LCD製品の映像を極限まで極めたかのような映像です。豊かな光量と安定したトーンの映像は見ていてうっとりするような美しいさがあります。
黒の表現も素晴らしい


一般的に3LCD方式は黒の表現が苦手とされますが、本機はかなり良好です。下位モデルのEF-21やEB-W06と比べてみましたが、明らかに黒が深くて驚きました。シーンに合わせて明るさを制御するオートアイリス機能も搭載しているので、こちらも好みに応じて使うとよいでしょう。
いつもなら生の測定データを公開しているのですが、パソコンの不具合でデータが消えてしまいました・・・・・色域は最大の設定でRec.709とDCI-P3の中間位の広さだと記憶しています。ネイティブコントラスト比は、シネマモードで約1600:1、ダイナミックモードで2000:1程でした。あくまでご参考まで!
解像感は良好
画面にとても小さい文字を投影して、ピント性能と解像度をテストします。
測定方法


中央+4隅でテスト


・レベル1〜10のどのサイズの文字まで潰れずに読めるかを目視で判定。
・解像度により、読み取れる文字サイズの限界があります。
フルHD → 「6」が限界
4K → 「4」が限界
以下は測定結果です。
画面中央


画面左上


スコア(何番まで読み取れるか)
左上 | 左下 | 中央 | 右上 | 右下 |
---|---|---|---|---|
5 | 5 | 5 | 6 | 6 |
本機は4Kなので、理論上の限界はスコアは「4」
本機は4Kエンハンスドテクノロジーで、フルHDパネルを0.5画素分斜め方向に高速でシフトさせることで、4K相当の映像を得ています。スコア平均は5.4ということで、確かにフルHDより一段上の高精細な映像を楽しめますが、DLPの4K製品の方がシャープさは上に感じました。ここは、方式の特徴が出ていると思います。
画質の評価まとめ
- Good
-
・明るく鮮やかなカラー
・高いコントラスト比
・3LCD方式はレインボーノイズが発生しない - Bad
-
・映像のシャープさはDLP方式の4K製品に若干劣る
特筆すべきは10万円台では圧倒的な明るさです。EPSONが長年培ってきたランプ×3LCDの映像は安定感が抜群で、安心して見ることができます。DLP方式で気になることもあるレインボーノイズが発生しないのも嬉しいポイントです。
優しく自然な映像は、「これぞエプソン」と感じるような唯一無二のクオリティーです。
画質以外の評価
スピーカーの音質はそこそこ


本機は10Wのスピーカーを2機搭載しています。音量は結構出ますが、あくまで付加的なスピーカーですので音質はそこそこの印象です。ホームシアターを構築する際は別途スピーカーを用意することをおすすめします。
ゲーム性能はかなり優秀


測定周波数 | 入力遅延 |
---|---|
4K60Hz | 21.2ms |
1080P60Hz | 27.6ms |
入力遅延の実測値は20ms台とかなり優秀で、特に遅延を感じることはありませんでした。1フレーム=16.6msなので、反応速度が求められる対戦ゲーム以外では快適にプレイをすることができます。
ランプ光源は排熱が課題
明るさ設定 | 消費電力 | 騒音 |
---|---|---|
低 | 235W | 33.1dB |
中 | 304W | 38.7dB |
高 | 331W | 41.2dB |
明るさ設定「高」だと結構排気音が大きいので、「中」か「低」がおすすめ。ランプ光源はどうしても熱が出るので、視聴者となるべく距離を離すような配置で使用することをおすすめします。
エプソンかそれ以外か!唯一無二の4Kプロジェクター


ランププロジェクターは学校や会社で馴染みがあるので、「プロジェクターといえばこれだよね」と安心して見れる優しい感じの映像です。他社がDLPプロジェクターを開発する中で、3LCDの技術を突き詰めたエプソンの映像は唯一無二の価値があると思います。
ランププロジェクターは排熱とサイズの弱点はあるものの、価格帯ではダントツの明るさを誇ります。なるべく安い価格で、光量重視の4Kモデルを機種を探している人には、間違いなくおすすめできる製品です。