みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクです。
4Kプロジェクターを使って、プライベートな大画面で映画やゲームを楽しむのは1番贅沢な娯楽ですよね。今回はそんな4Kプロジェクターの中でも比較的安価で、コスパに優れる製品HORIZON Proをレビューしていきます。
・10万円台の4K製品
・HDR対応/1500ISOルーメンの美しい映像
・Android TV/高音質スピーカー搭載のオールインワンモデル
・自動の画面調整でストレスフリー
2021年の発売以来、長らく人気の製品です。
元々の定価は20万円ほどでしたが、現在は値下げが行われる場合もあり狙い目の製品です。VGP2022では金賞を受賞していて、映像の実力にも裏付けがあります。

今回はそんなHORIZON Proを徹底的にレビューしていきますので、ぜひプロジェクター選びの参考にしてください。
HORIZON Proのスペック
HORIZONはXGIMIのハイエンドプロジェクターシリーズで、HORISZON Proは4K入門グレードの製品です。
- HORIZON S MAX/(329,800円)/トリプルレーザー+LED、iMax Enhanced、Dolby Vision対応、最も明るい最上位モデル
- HORIZON S PRO/(249,800円)/トリプルレーザー+LED、Dolby Vision対応、S Maxよりお手頃
- HORIZON Ultra/(279800円)/トリプルレーザー+LED、Dolby Vision対応、1世代前の最上位モデル
- HORISON Pro/(197,800円)/LED光源の4K入門機
- HORIZON/(129800円)/フルHDモデル
HORIZON Proの詳細スペックは下記。
価格※ | 197,800円 |
光源 | LED |
方式 | DLP |
明るさ[ISOルーメン] | 1500 |
解像度 | 4K UHD (3840×2160) |
画像モード | HDR10、HLG |
投影距離 | 投写比1.2 50インチ:1.3m 120インチ:3.2m 180インチ:4.8m |
台形補正 | 水平/垂直 自動 |
フォーカス | 自動 |
スピーカー | 8W×2 Harman/Kardon ドルビーオディオ、ドルビーデジタル、ドルビーデジタルプラスDTS-HD、DTS-Studio Sound |
騒音 | <30dB |
端子 | DC×1 HDMI×2(1つはARC対応) USB×2 LAN×1 3.5mmAUX オプティカル |
OS | Android TV10.0 |
Bluetooth | 対応 |
WiFi | 2.4G/5G |
寸法[mm] | 136 x 208 x 218 mm |
重さ[kg] | 2.9kg |
HORIZON Proの本体と付属品を確認
パンチメタルが印象的なかっこいいデザインですね。正面には、レンズと画面調整用のセンサーがあります。

上面には電源ボタンと、簡易操作ボタン。


側面のスピーカー口には、Harman/Cardonの文字。

底面には3脚用の1/4インチのネジ穴があります。


背面には接続端子。HDMI端子が2つある点と、有線LAN対応がうれしい。
電源、光デジタル、USB2.0×2、HDMI×2(1つはARC対応)、LAN、3.5mmAUX

本体サイズはAmazonの写真を見て想像していたよりも小型でした。重さは2.9kgで、両手で楽々運べます。


付属品は以下の通り。ACアダプターが大きいのは少し残念です。
説明書、リモコン、単四電池×2、ACアダプター

Horizon Proの映像を確認
様々な角度から、映像を徹底的に確認していきます。
- 明るさ
- 輝度均一性
- カラープロファイル測定
(「ホワイトポイント」「色域」「RGBプロファイル曲線」) - コントラスト比
- ピント性能

画像はタップで拡大できます
明るさは1500ISOルーメン
ライト強


ライト弱


暗室








明るさは1000ISOルーメンを超えているので、多少明るい部屋でも使用できます。もちろん暗室では、とても明るい映像を楽しめます。
輝度のムラは少ない




照度計を用いて白画面9ヶ所の輝度を測定し、明るさのムラを確認。明るさの平均値は96で、画面全体の輝度はかなり均一です。カラーやコントラストが一貫した心地よい映像が見れますよ。
カラープロファイルの測定
CalibriteのDisplay Plus HLを使って、「ホワイトポイント」「色域」「RGBプロファイル曲線」「ネイティブコントラスト比」の測定を行います。
ホワイトポイント
Q.ホワイトポイントとは?
画面上で白色がどのように表示されるかを定義する基準のことです。
標準的なホワイトポイントは6500Kがよく使われ、これよりホワイトポイントが低いと画面が暖色寄り、高いと寒色寄りの印象になります。


▪️暖色 → ◯温かみがある、落ち着く ✖️古い感じ、野暮ったい
▪️寒色 → ◯新しいイメージ、かっこいい ✖️無機質な感じ、冷たい
ホワイトポイントは6500Kが中立ですが、外部照明の状況や映画のトーン、好みで使い分けられます。
Q.色域とは?
プロジェクターの色域とは、表示可能な色の範囲を示す指標です。色域が広いほど鮮やかで豊かな色表現が可能になり、映像の正確性や美しさに影響を与えます。
色域には様々な規格があり、コンテンツ毎に使い分けられています。


色域 | 特徴 |
---|---|
sRGB/Rec.709 | 一般的なディスプレイ、テレビ、ウェブ標準、youtube(非HDR)、Blu-ray |
DCI-P3 | 映画、HDR映像、4K UHD Blu-ray、Youtube(HDR) |
BT.2020 | 自然界の色の99.9%を再現。実際のHDR映画はBT.2020の枠組み内にP3で格納されている場合が多く、その色域はフル活用されていないのが現状。 |
Q.コントラスト比とは?
最も明るい白(ホワイト)と最も暗い黒(ブラック)の輝度の比率を表します。例えば、「2000:1」のコントラスト比なら、白の明るさが黒の明るさの2000倍であることを意味します。
コントラスト比が高いほど、映像の奥行きやメリハリが増し、細かいディテールが見えやすくなります。


以下は映画モードの測定値。
画像モード | ホワイトポイント ※6500Kが標準 | ネイティブコントラスト比 ※大きい方が好ましい | 色域 ※青が測定値、緑はRec.709規格 | RGBプロファイル曲線 ※3色が重なり、直線が好ましい |
---|---|---|---|---|
映画 | 8347K | 596:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
色域はRec.709より少し広く、十分に鮮やかな映像を投影します。RGBのバランスも良好でした。


LED光源の製品はコントラスト比は500:1を下回ることが多いのですが、約600:1となかなか優秀な値でした。十分実用的なレベルのコントラストを実現していて、夜景も以下の通り鮮やかです。


色味は若干寒色寄りなので、もし中立が好みなら、「カスタム」設定から暖色を選ぶことをお勧めします。
各画像モードの測定結果はこちら
画像モード | ホワイトポイント ※6500Kが標準 | ネイティブコントラスト比 ※大きい方が好ましい | 色域 ※青が測定値、緑はRec.709規格 | RGBプロファイル曲線 ※3色が重なり、直線が好ましい |
---|---|---|---|---|
映画 | 8347K | 596:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
サッカー | 8347K | 596:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
オフィス | 6298K | 448:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
ゲーム | 8339K | 598:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
カスタム | 8331K | 594:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
カスタム (暖色) | 6295K | 445:1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
ピント性能は良好
画面にとても小さい文字を投影して、ピント性能と解像度をテストします。
測定方法


中央+4隅でテスト


・レベル1〜10のどのサイズの文字まで潰れずに読めるかを目視で判定。
・解像度により、読み取れる文字サイズの限界があります。
フルHD → 「6」が限界
4K → 「4」が限界
以下は測定結果です。
画面中央


画面左上


スコア(何番まで読み取れるか)
左上 | 左下 | 中央 | 右上 | 右下 |
---|---|---|---|---|
5 | 4 | 4 | 5 | 5 |
本機は4Kなので、理論上の限界はスコアは「4」
中心から下側は、4Kの限界であるスコア「4」。右上と左上は「5」というスコアになりました。フルHDの機種と比べると、1段上の高精細な映像をしっかりと楽しめますよ。


画質の評価まとめ
- Good
-
・自然なカラーと階調表現
・大画面でも明るい1500ISOルーメン
・4Kの高い解像感
・輝度の均一性が高い
・ローカルコントラストの制御で、暗所でも詳細が見えやすい - Bad
-
・ダイナミックコントラスト比はそこそこ
4Kプロジェクターの入門機として申し分のない映像で、フルHDより一段上の感動を体験できます。私は上位機種のHORIZON S ProやHORIZON S Maxを体験しているので、「4K入門機としてはすごい」という感想になってしまいますが、比べなければ「これでもう十分だ」と思えるクオリティーだと思います。
価格に対する映像のコスパは、十分に高いと思います。
HORIZON Proの音質を確認


HORIZON Proは、Harman/Cardon製8W×2基のスピーカーを搭載。低音の迫力はそこそこですが、DOLBY AUDIO対応で、クリアで聞き取りやすい音です。また、DTS Studio Soundに対応していて、映画向きの立体感を演出してくれます。こちらはON・OFFを切り替えられますが、私はONの方が音がクリアに聞こえて好みでした。
内蔵スピーカーでも十分高音質ですが、外部スピーカーを使いたい場合は、光デジタル・3.5mmAUX・HDMI(ARC)、Bluetoothと、接続の選択肢が豊富です。
Horizon Proの使用感を確認
起動時間は59秒
電源を入れてから、OS立ち上げ、自動フォーカス終了までが59秒。OS搭載型は45〜55秒くらいのものが多いので、若干時間がかかる印象です。
ただ、本機はスリープモードによるシャットダウンが可能で、電源を抜かない限りは2回目以降の起動は数秒ほどとなり快適です。
画面調整は全自動で快適


本体をポン置きするだけで、フォーカスと台形補正を自動調整してくれます。設置の手間が省けるので、場所を移動しても気楽に使えます。
Android TVの操作感は良好


Google純正OSを積んでいるので、対応アプリ数が多く動作も快適。Youtube、プライムビデオ、Disney Plus、TVerなど、お馴染みのアプリはだいたい網羅されています。
一つ残念な点は、Netflixがネイティブアプリで見られないこと。Netflixユーザーは、別途Amazon Fire TV Stickなどを用意する必要があります。
スマホ画面は簡単に共有できる


IOS → MagiCastアプリ
Android → GoogleHOME
上記方法で、簡単にスマホ画面を共有できます。他の人と写真を共有したり、スマホゲームを大画面でプレイしたい際に役に立ちます。
消費電力はそこまで大きくない
消費電力のスペック値は200W未満。実際に映画モード(デフォルト設定)で消費電力を測定したところ、143Wで、1時間あたりの電気代を概算すると約4.4円となりました。※電気代はこちらのサイトで、1kwh単価31円で計算。
毎日映画を1本見ても、月300円もかからないので、電気代は負担にならないと思います。
ファンのノイズは静か
ファンノイズはスペック値で、30dB未満。これは鉛筆の筆記音くらいのイメージなので、結構静かです。排熱は若干ありましたが、従来のランププロジェクターと比べると十分低いレベルです。
低遅延のゲームモードを搭載


測定周波数 | 画像モード | 入力遅延 |
---|---|---|
4K60Hz | 映画 | 142.1ms |
ゲーム | 34.9ms | |
1080P60Hz | 映画 | 142.0ms |
ゲーム | 34.9ms |
ゲームモード適応で、遅延は34.9msとなかなか高速。反応速度がシビアな対戦ゲーム以外は、遅延は気にならないでしょう。ゲームモードにしないとかなり遅延するので、忘れずに設定を変更しましょう。
HORIZON シリーズはどれを選ぶべきか?


機種(タップで記事リンクへ) | 映像 | 特徴 |
---|---|---|
HORIZON Pro 197,800円 | ・4K ・LED ・1500ISOルーメン ・色域:Rec709+α ・ネイティブコントラスト比:約600 ・HDR10 | お手頃価格で4K映像を楽しめる |
HORIZON S Pro 249,800円 | ・4K ・Dual Light2.0 ・1800ISOルーメン ・色域:Rec709,DCI-P3,BT.2020で指定可能 ・ネイティブコントラスト比:約800:1 ・HDR10、Dolby Vision | Dual Lightにより広色域、高コントラスト比で、DolbyVision対応 |
HORIZON S Max 329,800円 | ・4K ・Dual Light2.0 ・3100ISOルーメン ・色域:Rec709,DCI-P3,BT.2020で指定可能 ・ネイティブコントラスト比:約800:1〜1600:1(コントラスト拡張) ・HDR10、Dolby Vision、IMAX ENHANCED | HORIZON S Proより力強い、究極のリアリティーを追求した映像 |
3機種全て体験しましたが、上位機種になるほど映像体験の格が上がります。もちろん価格は上がりますが、それに見合うだけの感動があり、一つ一つの映像コンテンツをより特別な思い出にしてくれます。
これはいくつものプロジェクターを見てきた結論ですが、高い製品はやはり良いです。まず、余裕のある予算を組んで、その中で1番良い製品を選ぶべきだと思います。
まとめ 4K入門機としてコスパの高い一台
2021年の発売から時間が経ちますが、売れ続けているは高い完成度とコスパのおかげでしょう。大画面の4K映像は破壊力があるので、自宅での映像体験の満足度が変わります。
本機は発売から時間が経っていることもあり、不定期にで値引きが行われることがあります。コスパの高い4Kプロジェクターを探している方は、ぜひ価格をチェックしてみてください。