みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクタです。
3色レーザープロジェクターの先駆けであるJMGOからフラグシップモデル「N3 Ultimate」が発売されます。これまでの実績を踏まえると、期待せずにはいられない一台。今回は発売前に実機を試せたので、さっそくレビューしていきます。
レビューのザクっとしたまとめは以下の通り。
・「超大画面」を実現する5800ISOルーメンの明るさ
・3色レーザーによる鮮やかなカラー
・設置を自由にする光学ズーム+レンズシフト
・最速1ms/VRR対応のゲーム性能
・AIを駆使した快適な操作性
映像面の進化ポイントは「高輝度化」です。

これまでのホームプロジェクターの単純な競合品というより、「もっと大画面」や「もっと昼も明るく」といった、一段上のニーズを拾うような方向の進化です。
また、AIやセンサーを駆使した、システムの「インテリジェンス化」もかなり進んでいます。
以下でその性能を徹底的に確認していきますよ。
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スペック
前のフラグシップモデルのN1S Ultimate 4Kとスペックのスペック比較が下記。
性能的には、完全な上位互換になっています。ただ、明るさが1.8倍になっていることから、カバーする画面サイズは少しズレています。本機はより大画面志向です。
| 機種名 | N3 Ultimate | N1S Ultimate 4K |
|---|---|---|
| 販売価格(税込) | ¥499,180 | ¥337,480 |
| 搭載OS | Google TV5.0 | Google TV3.0 |
| 光源/投影方式 | 3色レーザー/DLPレーザー40個 | 3色レーザー/DLP |
| DLPチップ | 0.47インチDMD | 0.47インチDMD |
| 明るさ | 5800 ISO ルーメン | 3300 ISO ルーメン |
| コントラスト比 | FOFO:20000:1Dynamic Contrast:3000000:1 | 1600:1 |
| 解像度 | 4K UHD(3840×2160) | 4K UHD(3840×2160) |
| 色域 | 110% BT2020 | 110% BT2020 |
| 色差 (色精度) | ΔE≈0.7 | ΔE<1 |
| 推奨投影サイズ | 100-200インチ(最大300インチ) | 100-150インチ(最大180インチ) |
| 投射比 | 0.88-1.7:1 | 1.2 : 1 |
| 光学レンズ | 〇 | × |
| レンズシフト | 垂直 ±130%水平 ±53% | × |
| AI空間認識・位置決め | 〇 | × |
| 投影位置メモリー | 〇 | × |
| ジンバルスタンド | 電動左右360度 垂直150度 | 手動左右360度 垂直135度 |
| リモコンによる位置調整 | 〇 | × |
| シネチューナーマスター | 〇 | × |
| AISR(画質向上) | 〇 | × |
| AI強化モード | 〇 | × |
| AIダイナミックコントラスト機能 | 〇 | × |
| 障害物回避 | 〇AI空間認識 | 〇 |
| スクリーン補正 | 〇AI空間認識 | 〇 |
| オートフォーカス | 〇 | 〇 |
| シームレス自動台形補正 | 〇 | 〇 |
| 明るさ自動調整 | 〇 | 〇 |
| 壁色自動適応機能 | 〇 | 〇 |
| 3D | 〇 | 〇 |
| スピーカー | 12.5W × 2基 35HzDolby Audio(デジタル、デジタルプラスに対応) / DTS-X | 10W × 2基Dolby Audio / DTS-X |
| Dolby Vision, HDR | HDR10、Dolby Vision | HDR10 |
| チップ | MediaTek MT9679 | MediaTek MT9629 |
| CPU | Arm Cortex-A73 1.3GHz | Arm Cortex-A55 1.5GHz |
| GPU | Mali-G52 MC1 | Mali-G52 2EE MC1 |
| RAM+ROM | 4GB+64GB | 2GB+32GB |
| Wi-Fi | Wi-Fi6 | Wi-Fi 6 |
| Bluetooth | Bluetooth 5.2(AAC、SBCに対応) | BT5.2(AAC、SBCに対応) |
| 騒音 | <26dB | <26dB |
| 入力 | DC×1HDMI2.1×1HDMI2.1(eARC)×1USB 3.0 ×1 | DC×1HDMI2.1×1HDMI2.1(eARC)×1USB 2.0 ×1 |
| 出力※入力のeARCも出力可能 | HDMI(eARC) | 3.5mm ヘッドホンポート×1HDMI(eARC) |
| 出力リフレッシュレート遅延時間 | VRR:4K 48~60Hz/1080p 48~240HzHDMI 2.1 VRR 対応1ms 低遅延ゲームモード | VRR なし17ms at 1080P/4K@60Hz |
| 消費電力 | 300W以下 | 240W以下 |
| MEMC | 〇 | 〇 |
| 本体サイズ | W308×D230×H274mm | W241×D203×H236mm |
| 本体重量(Kg) | 6.95kg | 4.5kg |
本体と付属品を確認
従来よりレンズは大型化。

電源ボタンはジンバルの足元。

自在に角度調整ができるジンバル機構を搭載。
今回は手動だけでなく、リモコンでで上下の首振りとターンテーブルの回転が可能になりました。

接続端子はHDMI×2(1つはeARC)、USB-Aと必要最低限の構成です。

本体は重さ6.95kg。小型なN1S 4Kと比べると、一回り大きい。


BOXはキャリーバッグも兼ねる。ACアダプターとリモコンが付属。


リモコンはデザインを一新。主要ボタンが光る点、YouTube、プライムビデオ、Netflixのショートカットボタン、お気に入りを呼び出せる★ボタンが嬉しい。

映像は一段上のステージへ
新世代のMALCエンジン5.0を搭載。
レーザー光源の最新化とチップ数の増加によって、より均一で、より明るく、より美しい画面を実現しています。

明るさは5800ISOルーメン
以下は100インチでの明るさの確認。
ライト強

ライト弱

暗室




ビジネスプロジェクターも顔負けの明るさで、多少明るい部屋でも問題なく使えます。

以下は映画モードの画面輝度。
| 明るさ設定 | 50インチ (実測値) | 80インチ (計算値) | 100インチ (計算値) | 120インチ (計算値) | 150インチ (計算値) | 200インチ (計算値) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 1114nit | 435nit | 279nit | 193nit | 124nit | 70nit |
| 9 | 1092nit | 427nit | 273nit | 190nit | 121nit | 68nit |
| 8 | 1008nit | 394nit | 252nit | 175nit | 112nit | 63nit |
| 7 | 930nit | 363nit | 233nit | 161nit | 103nit | 58nit |
| 6 | 853nit | 333nit | 213nit | 148nit | 95nit | 53nit |
| 5 | 778nit | 304nit | 195nit | 135nit | 86nit | 49nit |
| 4 | 694nit | 271nit | 174nit | 120nit | 77nit | 43nit |
| 3 | 602nit | 235nit | 151nit | 105nit | 67nit | 38nit |
| 2 | 514nit | 201nit | 129nit | 89nit | 57nit | 32nit |
| 1 | 416nit | 163nit | 104nit | 72nit | 46nit | 26nit |
50インチは実測値、他はそれを基にした計算値
映画館の通常上映=48nit、高品位なDolbyCinema=108nitが基準になっています。ぜひ映画館に行った際は、「これが48nitか」と明るさを確かめてみてください。
暗室視聴の場合、HDRもSDRも違和感なく楽しめる100nitくらいをベースに調整するのがおすすめ。
<48nit → 明るさが不足
48〜100nit → 暗室視聴眩しさを抑えたおすすめレンジ
100nit〜200nit → 暗室視聴のおすすめレンジ
200nit< → 暗室では眩しい(昼なら可)
本機はかなり明るいので、画面サイズが小さい場合、オーバースペックになる可能性があります。最低でも100インチ以上、好ましくは120インチ以上での運用に適していると思います。
実際に家で一番大きい壁に200インチ相当の映像を映してみました。

普段120インチで映画を見ていますが、やはり200インチは別格でした。今まで何度も見てきたリファレンスの映像が、全く別の映像に感じました。理屈じゃなく本能が反応してしまうような迫力があります。
ジェクタ「映像は大きければ大きい方がいい」というのは真理だと思いました
また、これだけ大きい画面で、鮮やかさや精細感がしっかり保たれていたのも印象的でした。

200インチは「自宅では現実味のないサイズ」という認識でしたが、考えを改めました。
N3 Ultimateなら実現できます。
輝度の均一性は高い


照度計を用いて白画面9ヶ所の輝度を測定し、明るさのムラを確認。
明るさの誤差は4%以内に収まっていて、ハイエンド機の中でも優秀でした。画面の端までしっかり明るく、ムラなく安定しています。
3色レーザーならではの広色域
Q.色域とは?
プロジェクターの色域とは、表示可能な色の範囲を示す指標です。色域が広いほど鮮やかで豊かな色表現が可能になり、映像の正確性や美しさに影響を与えます。
色域には規格があり、コンテンツ毎に使い分けられています。

| 色域 | 特徴 |
|---|---|
| sRGB/Rec.709 | 一般的なディスプレイ、テレビ、ウェブ標準、youtube(非HDR)、Blu-ray |
| DCI-P3 | 映画、HDR映像、4K UHD Blu-ray、Youtube(HDR) |
| BT.2020 | 自然界の色の99.9%を再現。実際のHDR映画はBT.2020の枠組み内にP3で格納されている場合が多く、その色域はフル活用されていないのが現状。 |
主要な色域であるRec709、DCI-P3、BT.2020の再現率は、映画モードの実測値で95%程度ととても良好。

ランプやLED光源の製品では、色にどこか白が混ざったように感じることがありますが、3色レーザーでは、狙った色がよりダイレクトに表現されている印象です。
映像全体を満たす空気感も非常にクリアで、見ていて心地よさがあります。

レーザー調光機能でコントラストを強化
Q.コントラスト比とは?
最も明るい白(ホワイト)と最も暗い黒(ブラック)の輝度の比率を表します。例えば、「2000:1」のコントラスト比なら、白の明るさが黒の明るさの2000倍であることを意味します。
コントラスト比が高いほど、映像の奥行きやメリハリが増し、細かいディテールが見えやすくなります。

コントラスト比は測定がうまくいかなかったので、今回は割愛。(本機は黒画面の投影時、レーザー出力を大幅に下げる機能が働きました。これにより、コントラスト比は計算上♾️に・・・・。この調光機能を止める方法が見つかりませんでした。)
映像を見た感じのコントラスト感は良好です。
輝度が高いので黒の締まりが心配でしたが、全く問題ありませんでした。むしろ明暗共存のシーンでは、この明るさが黒を引き立てています。

「AIダイナミックコントラスト」では、暗いシーンではレーザー出力を下げる調整を行います。
いわゆるレーザーディミング。
この機能はハイライトも同時に暗くなるデメリットはありますが、黒が締まるメリットの方が大きいと感じます。

Dolby Visionに対応
従来のN1Sシリーズは非対応だったので、これはシステム面で一番嬉しかったポイント。
Netflix、Apple TV+、Amazon Prime Video、Disney+ などの主要な配信サービスでは、Dolby Vision対応の4K タイトルが多く提供されていますが、これらをやっと楽しめます。
なお、DolbyVision視聴時は専用設定から、画面サイズとスクリーンゲインを必ず入力しましょう。これにより、想定輝度に応じた、明暗のリバランスを行ってくれます。

AIによる複数の補正機能を搭載

映像データを解析して、色味や明るさ、解像感を最適化する機能を搭載しています。
特に注目の機能が低解像度の画質を補正するAISRで、これは素晴らしい効果が実感できます。

ジェクタレンタルDVDの映像が綺麗になるのはうれしい!
MALC5.0でスペックルノイズ除去能力UP

レーザースペックは波長が揃ったレーザー光が干渉することにより発生するわけですが、LSRで360度方向に微細に振動させることで、干渉を防ぐ模様。従来モデルもノイズ除去率97%と高水準でしたが、本機は99.99%とほぼほぼ100%に近い数字です。
実際にホワイトスクリーンで映像を確認しましたが、ノイズは気になりませんでした。
スペックルの体感には個人差はありますが、個人的には今まで体験した機種と比べてもスペックル低減技術は優れていると感じました。
内蔵スピーカーは低音が効いている

12.5W×2基、合計25Wの内蔵スピーカーを搭載し、35Hzの低音再生に対応しています。内蔵型としては音質は良好で、衣服がわずかに震えるような低音も体感できました。
一方で、内蔵スピーカーは設置位置を最適化できないため、音質を最優先するのであれば外部スピーカーとの併用がおすすめです。
とはいえ、さまざまな場所で手軽に使うシーンでは、この高音質な内蔵スピーカーは大きなアドバンテージになるでしょう。
その他 設置性/ゲーム性能/静音性/起動時間
画質劣化なしのレンズシフト+光学ズーム
・レンズシフト
画質劣化させずに画面位置を垂直/水平に移動させる機能。プロジェクターを正面に置かなくても、劣化なしで映像を楽しめます。

・光学ズーム機能
画面を劣化なしで拡大縮小する機能で、設置距離を調整できます。
投射比の可変幅は0.88:1〜1.7:1。従来の製品は1.2で固定だったので、自由度はかなり向上しています。また、他社製品でここまで可変域が広い製品は見つけられなかったので、とても優秀です。
| 投影サイズ | ズーム拡大端 (0.88:1) | ズーム望遠短 (1.7:1) |
|---|---|---|
| 80インチ | 1.6m | 3.0m |
| 100インチ | 1.9m | 3.8m |
| 120インチ | 2.3m | 4.5m |
| 150インチ | 2.9m | 5.6m |
| 200インチ | 3.9m | 7.5m |
| 250インチ | 4.87m | 9.4m |
| 300インチ | 5.84m | 11.29m |
天吊りは専用金具を推奨
オプションで専用の天吊り金具があります。
天釣りというと大変なイメージがありますが、本品はパーツも少なく組み立てがかなり簡単。
ネジ3本で天井固定。これさえすれば、もうほとんど終わったようなものです。

ジェクタ安全第一!
取り付けには木やコンクリートの下地が必要です
取り付け時間は20分くらい。

棒の長さを調節できないのは少し残念でしたが、本体のレンズシフトで高さの位置調整はできます。
強度もしっかりしているので、天吊りは正規品を是非。
ジンバル電動化で、完全お任せの位置合わせも可能に

ジンバルの首振りと、光学ズーム、台形補正、レンズシフトを組み合わせた自動の画面調整機能も搭載。ワンボタンの画面補正は、場所移動が頻繁な場合にうれしい機能です。
ただし台形補正を伴う調整は、有効画素数が低下するので、あくまで「お手軽さ」を重視したい場合のオプションです。画質を追求するならレンズシフト+ズームで合わせましょう。
場所+設定の組み合わせを保存できる

AI空間画面メモリでは、設置場所毎の画面調整パラメータを保存できます。リビング、寝室、専用室など、場所を変えて使うことが多い人はこの機能が重宝するでしょう。
ゲーム性能は過去最強

| 測定周波数 | 画像モード | 入力遅延 |
|---|---|---|
| 4K60Hz(1080P60Hzも同じ) | 標準 | 画面上 113.5ms 画面中 121.2ms 画面下 128.8ms |
| ↑ | ゲームモードノーマル (台形補正可) | 画面上 10.1ms 画面中 17.4ms 画面下 24.9ms |
| ↑ | ゲームモードエクストリーム (台形補正不可) | 画面上 2.3ms 画面中 9.4ms 画面下 17ms |
| 1080P120Hz | ゲームモードノーマル+VRR (台形補正可) | 画面上 5.5ms 画面中 8.8ms 画面下 12.8ms |
| ↑ | ゲームモードエクストリーム+VRR (台形補正不可) | 画面上 1.5ms 画面中 5.2ms 画面下 9.0ms |
| 1080P240Hz | ゲームモードノーマル+VRR (台形補正可) | 画面上 2.8ms 画面中 4.5ms 画面下 6.4ms |
| ↑ | ゲームモードエクストリーム+VRR (台形補正不可) | 画面上 0.8ms 画面中 2.8ms 画面下 4.6ms |
上記は入力遅延の実測結果。
240Hz対応で、最大0.8msの応答速度はかなり高速。これはこれまでレビューしたプロジェクターの中でも最高タイの速度です。
さらに、本機はプロジェクターとしては珍しいVRR(可変リフレッシュレート)に対応。ゲーム機側のフレームレート変動に合わせてリフレッシュレートを同期させることで、画面のズレや分断を抑制します。
さらにゲームのジャンルに応じて画質をカスタマイズする新機能も搭載。基本は標準で良いですが、使い分けてみると面白い。

実際にゲームをプレイしましたが、RPGはフィールドがより広大に感じますし、アクションゲームは戦闘の迫力や技の美しさに心を奪われます。

「ゲーミングプロジェクター」としても、最先端にあるスペックなのは間違いないです。
ファンノイズ/消費電力
| 明るさ設定 | ファンノイズ(@1m) | 消費電力 |
|---|---|---|
| 10 | 32.7dB | 190W |
| 1 | 32.1dB | 80W |
3色レーザーは電力効率のよさも魅力。5800ISOルーメンの明るさの割には消費電力とファンノイズは共に控えめです。
起動時間は高速
起動時間は35秒ほどで、OS搭載プロジェクターの中では高速。(他社平均は45秒ほど)
スリープモードのような形で中断が可能で、その場合の起動は7秒程度と超高速。ストレスなく起動できるのは好印象です。
シリーズの最高到達点!明るさはネクストステージに
N3 Ultimateの映像は明るさ、コントラスト、耐ノイズなどの基礎能力が順当に底上げされました。特に5800ISOルーメンの明るさは圧巻で、本当にTV画面をそのまま大画面にしたかのような鮮明さがあります。

この明るさは相当すごい。しかし、100インチ未満では「明る過ぎ」の懸念があるので注意が必要です。
・昼間の明るい環境でも映像を楽しみたい
・100〜150インチをリッチな光量で楽しみたい
・150インチ以上の、超大画面で映像を楽しみたい
この辺りのニーズに刺さると思います。
多くのユーザーが待ち望んでいたレンズシフト+光学ズーム、プロジェクター界で最強クラスのゲーム性能も見逃せません。「使いやすくて綺麗」というのは、JMGO製品でずっと感じている美点であり、ここは本当にぶれない。
価格は安くありませんが、実際に使えば納得できます。価格はセール状況等で変動がありますので、ぜひ販売サイトからご確認ください。
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