Yaberの製品はお手頃価格ですが画質に優れ、プロジェクターオタクの筆者はコスパの高さにいつも驚かされています。
今回レビューを行うK2Sは、そんなYaberの集大成とよぶにふさわしい一台でしょう。
・1000ANSIルーメンの明るい映像
・高クオリティーのJBLスピーカー
・使いやすい最新のGoogle TV
・画面調整が全自動
映像よし、音よし、OSよし。
これ1台を部屋に置くだけで、なかなか満足度の高い映画体験ができてしまいます。弱点がないわけではありませんが、実勢価格4万円台ならコスパは高いです。
今回はそんなK2Sのメリットとデメリットについて徹底的に解説していきますので、ぜひプロジェクター選びの参考にしてください。
Yaber K2Sのスペック
税込価格 | 56,999円※ |
投影方式 | LCD |
光源 | LED |
明るさ | 1000ANSIルーメン |
解像度 | 1920×1080 (フルHD) |
台形補正 | 垂直 /水平自動 |
フォーカス | 自動 |
投影距離 | 1.4m:40インチ 2.1m:60インチ 2.7m:80インチ 3.4m:100インチ 4.1m:120インチ 5.1m:150インチ 6.8m:200インチ |
スピーカー | 10W×2 |
騒音 | 28db以下(省エネモード時) |
端子 | HDMI、USB-A、USB-C、イヤホンジャック、AV |
Wifi | 2.4/5GHz |
Bluetooth | 5.0 |
サイズ | 12.6×27×29.1cm |
重さ | 3.2kg |
販売状況によりますが、値引き込みの実勢価格は4万円を少し超えるくらいのイメージです。
JBL製のスピーカー、様々なアプリを使用できるGoogle TV搭載で、一台で設備を完結できるオールインワンモデルです。
K2Sの本体と付属品を確認
箱はこのような感じ。
大部分はプラスチック製ですが、側面から後ろはファブリック素材で、ところどこにある金の印字がアクセントになっています。全体的に上質で高級感のある印象を受けるデザインです。
上面には電源など最低限のボタンついています。
背面の接続端子は以下の通り。
HDMI(ARC対応)、USB-A(2.0)、USB-C、イヤホンジャック、AV
また背面ファンにはエアフィルターがついていて、取り外しと清掃が可能です。
底面には一般的な三脚用の1/4インチのネジ穴はありません。
しかし4つのゴム足の下にM5サイズのネジ穴があるので、天釣り用の金具には対応しています。これはホームシアターのメイン機として使いたい人には嬉しいですね。
底面の脇のカバーを外すと、Google TVのドングルが接続されています。自分でドングルを差さなければならない製品も多いのですが、こちらはデフォルトで差し込み済みなのでありがたいです。
前面には高さ調整用のスタンドがついていて、投影高さの調整が可能です。
本体の重さは約3.2kg。入門グレードの機種としてはサイズが結構大きめです。設置のレイアウトは購入前に検討しましょう。
付属品は以下の通り。格安LCD機種はほこりが内部に侵入する可能性があるので、ほこり除去用の清掃キッドが付属しています。ここは完全密閉型にして欲しかったですね。
リモコン、電源ケーブル、HDMIケーブル、AVケーブル、説明書
Yaber K2Sの映像を確認
100インチの映像で、以下のポイントを確認。
- 明るさ
- 色味
- コントラスト比
- 解像度
- 映像調整機能
写真をタップで拡大できます
1000ANSIルーメンは十分な明るさ
とても明るい部屋
K2S
少し明るい部屋
K2S
暗室
K2S
1000ANSIルーメンは多少明るい部屋でも活躍できる明るさです。暗室なら、100インチの大画面でも光量の不足を感じず、臨場感のある映像を楽しむとができます。
1000ANSIルーメンを超える機種は10万円以上することが多いので、非常にコスパが高いです。
カラーは価格相応の表現力
元画像
K2S
元画像
K2S
単板の液晶方式の機種は、カラーバランスが悪いことが多いのですが、本機は十分に実用レベルの色表現をしています。
流石に高額なプロジェクターと比べると彩度が低いように感じましたが、価格を考えると十分だと思います。
コントラスト比が高く、夜景や花火が栄える
CalibriteのDisplay Plus HLを使ってコントラスト比を測定したところ、2276:1とかなり優秀。
夜景や花火のシーンを確認しましたが、深い黒とハイライトが画面内で両立されていて、メリハリのある美しい映像を楽しむことができました。ここはK2Sの本当にすごい部分です。
フルHDの解像度で、小さい文字も視認ができる
映画の字幕やゲームのテキストなど、小さい文字も問題なく視認ができます。画面角のピントは大体合っていますが、光量が若干低下している印象でした。
総じて、映像は5万円以下とは思えないレベル!
メリハリのある映像で、実写映画を見た時の臨場感が高いです
画質は好みにカスタマイズ可能
ピクチャーモードの切り替えにより、映像の印象が変わります。
ユーザーモードでは手動で明るさやコントラスト、色温度などの調整ができるので、好みに寄せた絵作りも可能。個人的には赤のカラーバランスを少し上げたほうが、全体的に色のバランスが良くなるように感じました。
JBLスピーカーの音は最高
音は本当に素晴らしいです。
これまでレビューしてきた10万を超える製品の内蔵スピーカーと比べても遜色ない・・・というか、ほとんどの機種に勝っていると思います。Dolby Audioに対応した10W×2機のステレオスピーカーは、ノイズや音割れがなく、低音の重厚感もあります。音を上げても、品質が安定しているのがすごいところだと思います。
また、サラウンドモードが結構優秀。ONにすると音に立体感が出て、ライブっぽく感じるので非常におすすめです。
Yaber K2Sの使用感を確認
起動時間は高速
起動時間は27秒。
OS内蔵プロジェクターは大体40秒前後の起動時間のものが多いので、とても高速であると思います。
ただし立ち上がり時は写真のようにプロジェクターのメインメニューが開くので、最初からGoogle TVのホーム画面が開く仕様が良かったです。
画面補正は全自動
垂直/水平の台形補正とフォーカスが全自動なので、画面調整が非常に楽です。補正速度はなかなか高速で、ストレスなく使用することができました。
打ち込み角度0度なのは残念
プロジェクターのレンズとスクリーンに映る映像の中心までの角度を表す
K2Sは打ち込み角度が0度なので、映像を目線の高さまで上げるために高さのある台が必要です。打ち込み角度がある方が設置性が優れ、台形補正も最小限で済むので、ここは残念な部分でした。
ローテーブルだと高さが不十分な場合が多いので、以下のようなプロジェクター台や、高さのあるラックの使用をおすすめします。
\耐荷重15kgで安定性が高い/
\メタルラック/
ファンの音はそこまで気にならないレベル
公式HPによると、ファンノイズはサイレントモード時で28db以下。※サイレントモード時は光量が少し低下
通常時のファンノイズは不明ですが、気になるほどの大きさではなかったです。実際に映画を見たところ、無音のシーンではファンの音を認識できますが、音のあるシーンでは全く気にならないレベルでした。
Google TVは安定動作で、対応アプリ数も多い
搭載OSは安心と信頼のGoogle TV。
YoutubeやプライムビデオやTVerなど、7000以上のアプリをダウンロードして利用できます。非対応なことの多いNetflixにもしっかり対応しているので、死角のないOSです。
ほとんどAmazon Fire TV Stickと同じようなクオリティです
リモコンはコンパクトで機能性が高い
リモコンの重さは46g。
小型ですが、利用頻度の高い機能へのボタンがしっかりとまとめられています。特に、人気アプリへの直通ボタン(Netflix、Disney+、Youtube、プライムビデオ)がとてもありがたい。
また、音声検索機能に対応しているので、作品検索時に文字を打ち込まなくていいのはかなり楽です。
ゲームは低遅延で楽しめる
プロジェクターでゲームをする場合、気をつけなければいけないのが入力遅延。この値はスペックに書かれていないことが多いので、当サイトでは毎回遅延を測定しています。
以下、Leo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」による測定結果です。
◾️入力遅延【フルHD/60Hz測定】
→ 29.1ms
測定結果は、かなり高速でした!
なお、海外のレビュー記事では入力遅延80ms台の結果が報告されていて、そちらとは違う結果となりました。(同じ装置で測定をしています。)
あちらは、K2Sが明るさ800→1000ANSIのマイナーチェンジ前のデータで、今回のデータはマイナーチェンジ後の製品の結果になります。恐らく、マイナーチェンジ時にゲーミング速度にもテコ入れが入ったものと考えられます。
実際にマリオをプレイしましたが遅延は体感できないレベルでしたので、1フレームを争うような対戦ゲームでない限りは快適にプレイできますよ。
スマホ画面を簡単に共有できる
メニュー画面に、Android/iOSミラーリングの項目があり、簡単にスマホと接続できます。※接続にはスマホとプロジェクターを同一のWifiに繋げる必要があります
最近はスマホカメラの撮影品質が向上しているので、大画面で投影すると思った以上に綺麗で驚きますよ。
まとめ:5万以下で最高クラスの満足度!買いです
近年、安いプロジェクターの画質がどんどん向上していますが、その中で最もインパクトを感じた製品の1台でした。
1000ANSIルーメンは、大画面でも鮮やかさを感じる節目の明るさだと思います。その領域に4万円台で踏み込み、高級機顔負けのJBLスピーカーを搭載し、OSは死角のないGoogle TV・・・・
オールインワンプロジェクターとしてのコスパは驚異的。また、ゲーミング性能も想像以上に良好で、映画、ゲーム、スマホ画面共有と用途の幅も広いです。
打ち込み角度が0度なので高さのある台が必要な点はデメリットですが、設置条件を満たせるなら、とてもおすすめできる製品です。