BenqのGVシリーズは独特のホイール形状で、好きな位置に映像を映せるプロジェクターです。
以前、最高グレードのGV31をレビューしましたが、映像、音、操作性の全てが高水準でまとめられている素晴らしい製品でした。
しかしGV31は定価110,900円と、少々高額なのがネック。
そこで今回はお得なミドルグレードの製品、GV30をレビューしていきます。
・お得な価格で、十分綺麗な映像を楽しめる
・投影位置を自由に調整できるホイール形状
・4W×2ステレオスピーカー+8Wサブウーファーのパワフルな音
・Android TV9.0搭載で動画サービスを楽しめる
GVシリーズの中でも、価格と性能のバランスの取れたコスパのいい機種ですよ。
GV30のシリーズでの位置付け
GV31 | GV30 | GV11 | |
---|---|---|---|
価格※ | 110,900円 | 69,800円 | 49,800円 |
光源 | LED | LED | LED |
投影方式 | DLP | DLP | DLP |
明るさ | 300 [ANSIルーメン] | 300 [ANSIルーメン] | 200 [ANSIルーメン] |
解像度 | フルHD (1920×1080) | HD (1280×720) | FWVGA (854×480) |
フォーカス | 自動 | 自動 | 手動 |
台形補正 | 垂直自動 (±40度) | 垂直自動 (±40度) | 垂直自動 (±40度) |
スピーカー | 4W×2 (スピーカー) 8W (ウーファー) | 4W×2 (スピーカー) 8W (ウーファー) | 5W×1 |
動作音 | 28dBA(標準) 26dBA(エコ) | 29dBA(標準) 27dBA(エコ) | 25dBA(標準) 25dBA(エコ) |
バッテリー | 動画3H 音楽5H | 動画2.5H 音楽4H | 動画2.5H 音楽4H |
Android TV | QS02 (Netflix正式対応) | QS01 | QS01 |
端子 | HDMI USB-A USB-C AUX | HDMI USB-C AUX | HDMI USB-A AUX |
重量 | 約1,700g | 約1,600g | 約970g |
サイズ | 131.3 x 203.2 x 191.4 mm | 120 x 196 x 185 mm | 113.5 x 153.3 x 140mm |
専用ケース | 別売り | 付属 | 付属 |
商品リンク | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 | Amazon 楽天市場 |
GV31はHD画質でミドルクラスのモデル。解像度としてはDVDとブルーレイの中間くらいのイメージになります。
基本的には、画質と価格がトレードオフになっているイメージです。
正直、FWVGAのGF11は映画を楽しむのには心許ないので、自宅でエンタメを楽しむならGV30かGV31がおすすになります。
GV30とGV31の徹底比較は以下の記事
GV30の本体と付属品
箱はこのような感じ。
正面にはレンズと、画面調整用のセンサーがあります。
電源ボタンなど、最低限のボタンが上部についています。
ストラップ部は持ち運びの際に活躍します。
スピーカーは2.1ch。側面に2基、背面に1基あります。
接続端子は以下のような感じ。
HDMI、USB-C、イヤホンジャック
本体と台座はマグネットでくっ付きます。
角度は自由自在に調整可能。この回転の気持ちよさはGVシリーズの魅力ですね。
重さは1.6kg。高さはペットボトルくらいです。
ホイール形状の台座は、直径12cmとかなりコンパクト。
一般的な小型三脚より、かなり省スペースで設置できるんです。
ベッドサイドのスペースに簡単に置けます。
付属品は以下の通りです。
リモコン、電源アダプター、取説、Android TVスティック、ピック
また本体を収納するケースが付属するので、持ち運びが簡単。これは超ありがたい。
Android TVスティックは、側面のカバーをピックで外して取り付けます。
本体の映像を確認
100インチの映像で、以下の4つのポイントを確認。
- 明るさ
- 色味
- 解像度
- 壁投影、天井投影の映像
写真をタップで拡大できます
モバイル機として十分な明るさ
とても明るい部屋
GV30
少し明るい部屋
GV30
暗室
GV30
上位機種のGV31と明るさは同じで、300ANSIルーメンです。
夜間は鮮やかな映像を楽しめますが、明るい部屋で使うには厳しい光量です。昼間はカーテンを閉めて使いましょう。
Rec709のカバー率97%の鮮やかな色
元画像
GV30
元画像
GV30
色域はハイビジョンテレビの標準規格であるRec709を97%カバーします。
これは上位機種のGV31と同じカバー率で、モバイル機としてはくっきりとした色合いの映像を楽しめますよ。
小さい文字も読める
HD画質の映像は解像感はなかなか高く、小さい文字もしっかりと視認できます。画面角は若干光量が低下しているように見えますが、気になるほどではありませんでした。
上位機種でフルHDのGV31と画質を比べると、やはりHD画質のgv30は映像のシャープさが少し劣ります。
価格差が4万円ほどあるのでコスパがいいのはGV30ですが、画質重視ならGV31もおすすめですね。
壁投影、天井投影の映像
天井や壁のどこでも簡単に投影できるのがGVシリーズの魅力。
まず、寝室の壁に投影。5.5畳の部屋ですが、90インチ位で投影ができました。
白い壁であれば、十分に綺麗な映像を楽しめますね。
今度は天井投影をしてみましょう。
ベッドの上のスペースに投影してみましたが、かなりいい感じ。
映像が明る過ぎないので、寝る前に視聴しても目が冴えず、気持ちよく眠ることができました。
2.1chスピーカーはモバイル機とは思えない迫力
2.1chスピーカーの音質はモバイル機とは思えないくらいパワフル。
4W×2基のステレオスピーカーに加えて、低音を強調する8Wのウーファーを搭載しているのが高音質の決め手でしょう。
低音の響きの良さは同価格帯の製品の中でも突出していて、映画の戦闘シーンの爆発音や車のエンジン音などにしっかりと重みがあります。
スペック的には上位機種のGV31と全く同じです。
GV31の使用感を確認
起動時間は35秒
Android TV搭載型は40秒くらいが標準的な速度なので、若干早めですね。児童のフォーカスや台形補正もこの地点で終了しているので、すぐに動画を楽しめますよ。
排気ファンの音はとても静か
騒音は標準モードで29dBA以下、エコモードで27dBA以下。
騒音dBA | 目安 |
---|---|
40〜45 | 市内の深夜、図書館内 、静かな住宅地の昼 、 しとしと降る雨 |
30〜35 | 郊外の深夜、病室内、落葉の音 |
↕︎GV30の騒音レベル↕︎ | |
20 | 木の葉のすれ合う音 、騒音計測定限度 |
騒音レベルは低いので、本体スピーカーの音でかき消されるレベルです。
映画を見てる間は、全然気になりませんでした。
自動で画面調整してくれる
本体の回転に合わせて、フォーカスと垂直自動台形補正を行ってくれます。
ホイールの動きに合わせた自動補正は、かなり気持ちいい
ただし、横方向の台形補正は不可。
必ず投影場所の正面に本体を置く必要があります。ここは注意です。
投射比は1.2
画面距離と、スクリーンサイズの関係を表す投射比は1.2。
投射比 = 投影距離 ÷ 投影画面の横幅
ちょっとややこしいので計算は割愛しますが、インチ数と投影距離の関係は以下の通りです。
投影距離[m] | 画面サイズ[インチ] |
---|---|
約1.59m | 60 |
約2.13m | 80 |
約2.66m | 100 |
約3.19m | 120 |
購入前に、配置を考える際の参考にしてください。
リモコンはボタン数が多く使いやすい
フォーカス、台形補正や、入力切り替えなどリモコンは欲しいボタンが揃っています。
プライムビデオにワンボタンで飛べるのも、個人的に嬉しいポイント。
Android TVの操作性は◯
安心と信頼のAndroid TV9.0搭載で、リモコン操作が快適。Google Playストアにアクセスして、5000以上のアプリがダウンロード可能です。
しかし、Netflixには正式には対応していません。一応下記方法で見れるようですが、ちょっと手間がかかりますね。
- Google PlayストアからApps Managerをプロジェクターにダウンロード
- Apps ManagerからNetflixをダウンロード
- Netflixアクセスを許可
- スマホのBenQ Smart Control アプリでNetflixを操作する
スマホの映像は簡単に共有できる
Android、iPhoneともに、プロジェクターと同じWiFiに接続すればミラーリングが可能です。
ゲームの遅延は許容レベル
スペックによると、入力遅延は51ms(@1080p60Hz)とのこと。
一応、Leo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」を使ってプロジェクターの入力遅延を実測してみたところ、遅延は42.9ms(@1080p60Hz)と、スペック値より少し高速でした。
これは勝敗を競うネット対戦ゲームでなければ、十分快適なレベルです。
マリオやモンハンをプレイしましたが、かなり快適にプレイできましたよ。
USB-C端子が便利
USB-Cは充電、給電、データ受信も可能な万能の端子。
充電
(45W15V/3A)以上の出力で充電が可能です。パソコンなど他のデバイスとケーブルを共有できるのは嬉しいポイントですね。
給電
スマホの充電もできるので、いざという時便利です。
PC映像入力
Display Port対応なので、USB-Cを持つノートPCからプロジェクターに映像を送ることができます。
HDMIなしでパソコンと接続できるのは、荷物を減らせるので持ち運びに便利ですね。
GV30のメリット・デメリット まとめ
下位機種のGV11は映像が心許なく、上位機種は価格が高いので、本機は最もコスパの高いグレードに感じました。
2.1chスピーカーの音は、他のモバイル機と比べてもかなり優秀で、YouTubeでPVを流しているだけでテンションがかなり上がりました。
気分によって、壁投影と天井投影を簡単に切り替えられるのが、GVシリーズのいいところ。
寝室やソファー脇のお供として、かなりおすすめのモバイルプロジェクターです。
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