プロジェクターの台形補正機能って必要?[映像を比較して検証]

プロミ

プロジェクターの台形補正機能って必要なの?

ジェクタ

個人的にはないと困る、とても便利な機能だよ

台形補正はプロジェクターを斜めから投影した際に生じる、台形状の「歪み」を修正できる機能です。この機能により、プロジェクターの設置位置の自由度が上がるため、レイアウトに悩まずに済むのが魅力です。

最近はローエンド品も含め、非常に多くの製品にこの機能が実装されています

今回はそんな台形補正機能について解説していきます。

  • プロジェクター選びで後悔したくない人
  • 台形補正を便利に使いこなしたい人
  • 台形補正の仕組み、原理を理解したい人

ぜひ最後までご覧ください。

目次

台形補正とは

プロジェクターをスクリーンの正面に配置できない場合に発生する画面の台形歪みを補正する機能です。

ジェクタ

別名、キーストン補正とも呼ばれます

台形補正により、斜め方向からの投影ができるので、プロジェクターを置く位置の選択肢が広がります。

また手動ではなかなか定まらない、画面の微調整を行う際にとても便利です。

なぜ台形状の歪みが発生するのか

ここで、台形歪みが発生するメカニズムについて説明します。

台形歪みはスクリーンに対しプロジェクターを斜めに置いた場合に発生しますが、まず基準となる歪みのない場合を考えてみます。

下の図はプロジェクターをスクリーン正面に置いた状態。

プロジェクターで正常に投影された映像

通常、プロジェクターは視認性を考え、オフセット値と呼ばれる分だけ、水平面からスクリーンの下端までに高さを持たせています。図のように、スクリーンに対し正面から投影した場合は、長方形で歪みがない映像になります。これが、理想的な映写状態です。

次に、映写位置を高くするため、プロジェクターを上方に向けて傾けた場合を考えます。

台形歪みの発生した映像

この場合、先ほどと同じ映像の見え方になるためには、青い点線のようにスクリーンも傾ける必要があるのはイメージ出来ると思います。

しかし実際は、スクリーンを傾けることはないので、映像は赤い点線の範囲に映ります。

このとき、赤い矢印のように、スクリーンの上側ほど、理想的なスクリーン位置に対し、実際に光が進む距離が長くなることがわかります。

この、長く進んだ光の分だけ、スクリーンは外側に膨れてしまいます。

これが、台形歪みの発生メカニズムです。

台形補正の仕組み

台形補正の仕組み

台形補正は、歪んだ台形状の画面が長方形になるよう計算し調整されます。

これは、理想的な長方形からはみ出た部分を、ぎゅっと縮めるような処理になるので、画素の圧縮による画質低下が起こります。

台形補正あり、なしの画質比較

実際に台形補正ありとなしで、どのくらい画質に違いが現れるかを確認します。

下の写真のように、かなり角度をつけて歪ませた映像に対し台形補正をかけました。

台形補正前後の比較

ここからは、台形補正した画像と、台形補正なしの画像の画質を確認してみます。

まず、Full HDの写真の比較がこちら。

台形補正ありと台形補正なしの写真比較
プロミ

意外に違いがわからないわね・・・

写真を拡大し、注意深く比較しましたが、正直なところ違いがわかりませんでした。

次に、「動画なら違いが分かるかもしれない」と思ったので、台形補正あり/なしで動画の画質を比較してみました。(左:台形補正なし、右:台形補正あり)

プロミ

どっちも綺麗ね・・・

動画についても、台形補正後に画質が悪くなってるという印象は特に受けませんでした。

最後に文字の視認性について確認してみました。

その結果がこちら。

台形補正ありと台形補正なしの文字の見え方の比較
プロミ

台形補正ありの方が、少しぼやけて見えるわね。

それぞれピントを合わせた状態で比較しているので、この見え方の違いは台形補正の影響によるもので間違いないでしょう。

どうやら、人が見た感覚としては、映像より文字の方が画質低下の影響を感じやすいようです。映画の字幕やYoutubeのテロップなどは、台形補正で見にくくなる可能性がありそうです。

検証結果のまとめ

写真・映像 → そこまで台形補正の影響を感じない

文字 → 台形補正による画質低下を感じる

補足 レンズシフトについて

レンズシフトの説明

補足として、台形補正と混同されがちな、レンズシフトの機能を紹介しておきます。

レンズシフトは、プロジェクターのレンズをスライドさせることで、画面を歪ませることなく、映像を垂直または水平に移動(シフト)させる機能です。

レンズシフトは画質を低下させないので、台形補正より優先して使うべき機能です。

画面の位置決めをする際は、以下の手順で行うと良いでしょう。

1.なるべくセンターにプロジェクターを設置

2.レンズシフトで位置合わせ

3.それでも調整が必要な場合に台形補正機能を使う

[結論]台形補正は必要か

「台形補正機能は必要か」とい問いに対しては、個人的には必要というスタンスです。

なぜならば、狙った場所に、歪みゼロで映写するのは経験上難しいからです。

例えば家の場合、棚の位置や人の動線などで、プロジェクターの設置場所は制限されます。また、家具の買い替えなどで、将来プロジェクターを移動する必要があるかもしれません。

このような状況で、位置合わせの際、プロジェクターを全く斜めにできないというのは結構ストレスです

ジェクタ

実際、私は位置合わせに台形補正を多用しています・・・

また、デメリットである画質低下はそこまでひどくないことも確認できました。

結論、台形補正は

使わない方がいいが、使っても問題なし

ないと不安な機能

という認識でOKです。

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この記事を書いた人

プロジェクターレビュー実績30機以上。
AV家電アドバイザー資格あり。

ホームシアターで見た映画は400本以上で、使用者の目線に立った実用的な考え方で実機レビューを行います。

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