モバイルプロジェクターは電源がない環境でも使えるのが強みですが、小型化のために明るさを犠牲にしている製品が多いです。
しかし、ユーザーの中には多少重くてもいいから、明るい映像を楽しめるモバイル機を探している方も多いのではないでしょうか。
たまにしか持ち運ばないなら、携帯性より画質を重視したいわよね
そんな方にお勧めしたいのが、AnkerのNebula Vega Portable。
- フルHD/HDR/500ANSIルーメンの美しい映像
- Dolby Digital Plus対応で音が綺麗
- 薄型で鞄に入れやすい形状
- Android TV搭載
- バッテリー持続時間が3時間と長い
重さは1.5kgと少し重いですが、映像はモバイル機の中ではピカイチ。
イメージとしては、据え置き機にバッテリーがついた感じです
本記事ではそんなNebula Vega Portableの画質、音質、操作性について、徹底的にレビューしていきますので、ぜひプロジェクター選びの参考にしてください。
Nebula Vega Portable のスペック
価格※:79990円 出力解像度:フルHD(1920×1080p) HDR10:対応 明るさ:500ANSIルーメン 投影方式:DLP方式 フォーカス:オート 台形補正:垂直オート/水平手動 100インチ投影距離:266cm スピーカー:3W×2 騒音:30dB以下 入力:USBA、HDMI、USB-C OS:Android TV 9.0 Wifi:2.4/5GHz Bluetooth:4.2 重さ:約1.5kg サイズ:19.2×19.2×5.9cm |
スペックだけ見てもピンと来ないと思うので、Anker最新のモバイル機、Nebula Capsule3と比較をしてみます。
Nebula Vega PortableはNebula Capsule3の約1.8倍の重さ。
しかし、Nebula Vega Portableは明るさがNebula Capsule3の2.5倍あり、昼間でもはっきりとした映像を楽しめます。
携帯性重視ならNebula Capsule3、映像重視ならNebula Vega Portableがおすすめね
Nebula Vega Portableの本体と付属品
箱はこのような感じ。
前方にはレンズと自動フォーカス用のセンサー。
背面には、各種接続端子と電源ボタン。
USB-C給電はうれしい
上面には音量+-ボタンと、Bluetoothスピーカーモードの切り替えボタン。底面には三脚用のネジ穴と、角度調整用スタンドがあります。
スタンドは最大13度の傾斜が可能です。
床置きでも、画面を目線に近い高さまで上げられ便利です。
三脚なしで使えるので便利!
付属品のリモコン、充電器、USBーCケーブルは以下の通り。
Nebula Vega Portableの画質をレビュー
100インチの映像で、以下の3つのポイントを確認。
- 明るさ
- 色味
- 解像度
写真をタップで拡大できます
◯多少明るい部屋でも楽しめる明るさ
とても明るい部屋
Nebula Vaga Portable
少し明るい部屋
Nebula Vaga Portable
暗室
Nebula Vaga Portable
500ANSIルーメンの明るさはモバイル機では最高クラスで、多少明るい部屋でも映像を楽しめます。
直射日光の入る部屋は厳しいですが、カーテンを閉めれば昼間でも十分な明るさですよ。
◯色味ははっきりと鮮やか
元画像
Nebula Vaga Portable
元画像
Nebula Vaga Portable
100インチの大画面でも、はっきりとした美しい映像を写せます。
色の再現性は高く、リアルな映像を楽しめますよ。
◯画面角まで高精細
フルHDなので、文字の輪郭ははっきりしていて視認性は良好。
さらに画質が劣化しやすい画面端も、中心とほぼ変わらないクオリティでした。
画面全体が美しい!
画質の総評としては、モバイル機とは思えぬ美しい映像
映画もゲームも十分に楽しめるわよ
Nebula Vega Portableは音も美しい
4W×2のスピーカーは音量十分。
Dolby Digital Plus対応のスピーカーは、広がりを感じるクリアな音を鳴らします。流石に高級スピーカーの音質には劣りますが、部屋をスッキリさせたい人は内蔵スピーカーでも十分に映画を楽しむことができますよ。
Nebula Vega Portableの使用感をレビュー
◯薄型で収納が簡単
厚みが5.9cmと薄いので、引き出しに入れて収納できます。
据え置き機なのに、収納スペースを取らないのは偉いわね
△1.5kgの本体は持ち運びには重い
薄型なので鞄に簡単に入りますが、1.5kgの本体は持ち歩くには重いです。徒歩で観光地を回るような場合は、持ち運びは大変でしょう。
一方マイカーでのキャンプや旅行など、徒歩で持ち歩く必要がない場面では存分に活躍できると思います。
ちなみに公式のトラベルケースも売っていて、こちらはデザインがかっこいい。
撥水機能で汚れを弾く上、持ち運びの衝撃から守ってくれるので安心ですよ。
◯起動時間は47秒、再起動は5秒
初回起動時はAndroid OSの立ち上げに時間がかかるので、47秒ほど時間がかかります。
Nebula Vega Portableは、
電源長押し→電源を切る
電源を短く押す→スリープモード
となり、スリープモードからの起動は約5秒と高速。使用頻度が多い人はスリープモードにしておくことで、テレビ並みの速度で起動できて便利ですよ。
◯画面調整はほぼ自動
垂直台形補正とフォーカスが自動で、起動時に画面調整を行なってくれます。
ただし、水平方向の台形補正は自動ではないので、横方向の歪みがある場合は手動の4点補正で対応します。
◯排気ファンの音は静か
騒音は30dB以下で、これは鉛筆の筆記音より静かな音。
映画を見ている間騒音は気にならないので、ご安心ください。
◯リモコンは操作性が良い
リモコンの反応速度は良好で、ストレスを感じずに操作ができます。
音声アシスタント対応なので、例えばYouTubeの検索を高速で行えますよ。
◯Nebula Connectアプリでスマホ操作可能
Nebula Connectアプリで、スマホによるリモコン操作が可能です。
本体とプロジェクターはBlutooth接続なので、Wifiのない屋外でも操作ができます。リモコンをなくした時や、旅行の際に役に立つ機能です。
◯Android TVは使い勝手が良い
Nebula Vega PortableはAndroid TV9.0搭載で、Google Playストアから様々な動画配信サービスをダウンロード可能です。Ankerの公式サイトでは、各動画配信サービスの利用可能状況を随時更新しているようです。
以下は、2024年5月現在公式で対応が確認されているサービスです。
対応サービス
Disney+、YouTube、Prime Video、Netflix※、DAZN、Hulu、U-NEXT、dTV、Paravi、FOD、Abema TV、TVer
※NetFlixは以下のように、NebulaManagerアプリ経由でダウンロードする必要があります。
◯スマホミラーリングは簡単
無線接続でスマホの映像を投影できます。
- iPhoneの接続手順
-
1.スマホとプロジェクターを同じWifiに接続
2.AirScreenアプリをプロジェクターにインストールして立ち上げる
3.アプリの指示に従い、iPhoneの画面ミラーリングからNebula Vega Portableを選択
- Androidの接続手順
-
1.スマホとプロジェクターを同じWifiに接続
2.スマホのキャスト機能から、Nebula Vega Portableを選択
◯画質調整機能が豊富
- HDR
-
High Dynamic Rangeの略。HDR10では明暗の差をを1024段階で表現するため、繊細で美しい映像表現が可能です。
- 色温度
-
・暖色:暖系色強調した柔らかい絵
・寒色:寒色を強調したクールな絵
- 壁色補正機能
-
選択した壁色に合わせて、映像が自然に見えるように画面調整を行います。
◯天井投影も可能
三脚を利用すれば天井投影も可能です。
本体が1.5kgとなかなかの重さなので、安定感のある三脚を使いましょう。
◯ゲームモードは遅延が少ない
ゲームモードでは台形補正ができなくなる代わりに、ボタン入力の応答速度が向上します。
ゲーミング性能の評価として、Leo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」を使ってプロジェクターの入力遅延を測定してみました。
フルHD/60Hz条件で測定
・通常モード:165.2ms
・ゲームモード:42ms
42msでなかなか良い結果になりました。スマブラをプレイしましたが、体感的には全く遅延は気になりませんでしたよ。
入力遅延の測定方法と、他の機種の測定結果は以下の記事を参考にしてください
Nebula Vega Portable メリットデメリットまとめ
高機能な据え置き機とモバイル機の「いいとこ取り」をしたような製品です。
重さは少し重いですが、ポータブル機とは思えないほどの明るい映像を映せます。自動台形補正や、Nebula Connectによるスマホのリモコン化など、ユーザーが使いやすい補助機能が充実しているのも強みでしょう。
総じてクオリティの高い製品なので、自信を持っておすすめできます。