【データと写真で分かる】TOPTRO X6を徹底レビュー【コスパ最強クラスの格安機】

TOPTRO X6

みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクタです。

今回レビューする製品は、フルHDの格安機TOPTROのX6です。格安機の中でも画質が良いという評判を視聴者の方からいただき、今回レビューをすることにいたしました。

結論から言うと、情報通り2万以下の中では最高クラスの映像美。

スピーカーやOSを搭載していて使いやすいのも魅力で、初心者の入門機として非常におすすめできます。

以下で徹底的にレビューをしていきますよ!

目次

TOPTRO X6のスペックを確認

製品名
TOPTRO X6
税込価格24,990円※
投影方式LCD
光源LED
明るさ700ANSIルーメン
解像度1920×1080
(フルHD)
台形補正垂直自動
水平手動
フォーカス電動
投影距離100インチ:約310cm
実測値)
スピーカー10W×2
騒音スペック不明
実測値:38dB(A)@1m
端子HDMI×2
USB-A×2
AUX
AV
OSAndroid TV
Wifi2.4/5GHz
Bluetooth5.3
サイズ249×204×105mm
重さ実測値1.84kg
※2025年2月5日地点の公式サイト価格

公式価格は24,999円ですが、Amazonではよく値引きされていて、18,000円位で買えることが多いです。※参考価格 2025/2/5 7000円オフクーポン適応で、17,999円

以下で実機を確認していきましょう!

TOPTRO X6の本体と付属品を確認

TOPTRO X6の箱

正面にはレンズと垂直台形補正用のセンサー、側面には排気口があります。ボディー材は光沢抑えめのプラスチックで、使いやすいシンプルなデザインだと思います。

TOPTRO X6正面
TOPTRO X6側面

上面には電源ボタンと操作ボタンがあります。

TOPTRO X6上面

底面には三脚用のネジ穴と、角度調整用のネジ足が付いています。

TOPTRO X6底面
TOPTRO X6ネジ足

底面から吸気フィルターが取り外せるので、排熱効率の低下を感じたら清掃すると良いでしょう。

TOPTRO X6フィルター

付属品は以下の通りで、格安機ですがかなり充実しています。

取扱説明書、保証書、クリーニングクロス、清掃キッド、三脚、レンズカバー、HDMIケーブル、AVケーブル、リモコン

TOPTRO X6付属品
ジェクタ

三脚が付いてくるのは嬉しいところです。

TOPTRO X6で三脚を使う

TOPTRO X6の画質を確認

様々な角度から、映像を徹底的に確認していきます。

  • カラープロファイルの測定
  • 映像の明るさ
  • 色味
  • 黒の表現
  • 解像度
  • 明るさの均一性
ジェクタ

画像はタップで拡大できます

カラープロファイルの測定

プロジェクターのカラーキャリブレーションツール(Dispaly Plus HL)を使い、映像の特徴を確認していきましょう。

まずは映像モードごとのホワイトポイント、コントラスト比の測定を行います。

Q.ホワイトポイントとは?

画面上で白色がどのように表示されるかを定義する基準のことです。
標準的なホワイトポイントは6500Kがよく使われ、これよりホワイトポイントが低いと画面が暖色寄り、高いと寒色寄りの印象になります。

色温度の目安
ホワイトポイントのイメージ

▪️暖色 → ◯温かみがある、落ち着く ✖️古い感じ、野暮ったい
▪️寒色 → ◯新しいイメージ、かっこいい ✖️無機質な感じ、冷たい

ホワイトポイントは6500Kが中立ですが、外部照明の状況や映画のトーン、好みに合わせ使い分けられます。

Q.コントラスト比とは?

最も明るい白(ホワイト)と最も暗い黒(ブラック)の輝度の比率を表します。例えば、「2000:1」のコントラスト比なら、白の明るさが黒の明るさの2000倍であることを意味します。

コントラスト比が高いほど、映像の奥行きやメリハリが増し、細かいディテールが見えやすくなります。

コントラスト比の説明
※写真はイメージです

以下は各画像モードのホワイトポイントとコントラスト比の測定値です。
※X6はHDMI接続時のみ画像モードを変更可能。内蔵OSでYoutubeやプライムビデオを見る場合はデフォルトの設定が適応されます。

画像モードホワイトポイントコントラスト比
標準7588K1940:1
↑色温度(寒色設定)8662K1804:1
↑色温度(暖色設定)7082K1749:1
はっきりとした7581K2274:1
やわらかい8052K1567:1
※赤字:6000K未満 黒字:6000〜7000K 青字:7000K超

どの設定もホワイトポイントは寒色よりで、「暖色」設定でも中立の6500Kより少し高いです。個人的には寒色よりの映像はかっこいい感じがするので好みですが、暖かい色味が好みな人はちょっと不満かもしれません。

一方コントラスト比は2000前後あるのでかなり優秀だと思います。黒がかなり濃いので、陰影の深い映像を楽しめます。

次に色域の測定結果です。色域が広いほど、表現できる色の範囲が広くなります。

TOPTRO X6色域-標準
TOPTRO X6色域-標準-寒色設定
TOPTRO X6色域-標準-暖色設定
TOPTRO X6色域-はっきりした
TOPTRO X6色域-やわらかい

※青線が測定値で、緑線がPCコンテンツ向けの標準的な色域を表すsRGB領域です

・色域はsRGB領域より狭いが、格安機としては妥当なレベル
・特に赤と緑の領域が狭い

次に、RGBプロファイルの補正カーブを見て見ましょう。RGBプロファイルの補正カーブは基本的にRGBが直線になることが望ましいです。

補正カーブが直線=補正の必要なしという解釈。色の再現性が安定し、ホワイトバランス・ガンマ・階調が正確になり、自然な映像が得られる。ただし、設定によってはメーカー側が意図を持ってバランスを崩してる場合もあります。

TOPTRO X6RGBプロファイルカーブ-標準
TOPTRO X6RGBプロファイルカーブ-標準-寒色設定
TOPTRO X6RGBプロファイルカーブ-標準-暖色設定
TOPTRO X6RGBプロファイルカーブ-はっきりとした
TOPTRO X6RGBプロファイルカーブ-やわらかい

※RGBプロファイルに補正をかけるための曲線です。RGB出力強度は、上下逆で考えてください。

・RGBは少しずれていて、青が強めの印象。
・直線ではなくS字っぽいカーブになっているが、意図的に強弱をつけているかは不明。

個人的には一番色温度が中立よりの「標準」の暖色設定が一番好みでした。あとは「はっきりした」設定もカラーがビビットになり、見応えがあります。

TOPTRO X6画像モードの比較

ぜひ、購入時はデータを参考に、画像設定を変更してみてください。

以下、実機の映像確認は出荷設定(標準モード/色温度標準)で行っています。

明るさスペックは700ANSIルーメン

ライト強

とても明るい部屋

ライト弱

少し明るい部屋

暗室

暗室
TOPTRO X6明るい部屋での映像
TOPTRO X6少し明るい部屋での映像
TOPTRO X6暗室での映像

写真は100インチで投影した際の明るさ。

明るい部屋での視聴は厳しいですが、暗室なら大画面の映像を十分楽しめます。

カラーは寒色が強い

元画像

色見本

X6

TOPTRO X6で写した13色のカラー

元画像

X6

TOPTRO X6で写した様々なフルーツ

デフォルト設定のホワイトポイントが寒色よりのこともあり、全体的にクールな印象を受ける色合いです。発色は価格なりの域を出ないものの、色ごとの塗り分けがバランスよくできているため不自然な感じはしませんでした。

コントラスト比が高く、暗いシーンは綺麗に見える

TOPTRO X6で映した夜景

コントラスト比は標準モードで1940:1とかなり高いです。

夜景や花火などの暗所のシーン、陰影の濃い自然風景などは、黒が深いおかげで見応えがあります。

ピント性能はかなり良い

TOPTRO X6の解像度を確認

映画の字幕やゲームのテキストなど、小さい文字もしっかり視認できます。日常で使われるフォントサイズでは、文字が読めずに困ることはないでしょう。

次にもう少し厳しいテストとして、更に小さい10段階のサイズの文字がどこまで見えるか検証します。

測定方法
※下の写真はX6の投影映像ではありません

解像度のテストパターン
100インチ画面
中央+4隅でテスト
解像度の評価方法
潰れて読めない文字があればアウト

・レベル1〜10のどのサイズの文字まで潰れずに読めるかを目視で判定。

・解像度により、読み取れる文字サイズの限界があります。
 フルHD → 「6」が限界
 4K → 「4」が限界

以下は測定結果です。

画面中央

X6画面中心のピント

画面右上

X6画面右上のピント
左上左下中央右上右下
88788
数字が小さい方が良好
X6はフルHDなので、理論上の限界はスコアは「6」

中央は理論上のフルHDの限界に近い「7」まで視認でき、4隅は「8」まで視認ができました。線は細く滲みも少ないので、格安機でここまでピントが合うのはすごいと思いました。

輝度はムラがある

TOPTRO X6で白画面を投影
白画面投影の様子
TOPTRO X6の輝度分布
輝度の分布

照度計を用いて白画面9ヶ所の輝度を測定し、明るさのムラを確認してみます。右の図が測定結果で、最も明るい場所を100とした場合の輝度分布です。

スコア
9点の平均:71
最小値:53(左上)

真ん中が明るく、左右が暗いという結果でした。中心が明るいのははX6に限った話ではなく、格安機全体に見られる傾向ですね。

普段気になることはほとんどありませんが、画面全体が白いシーンでは、輝度のムラを感じることもあります。

画質の評価まとめ

Good

・コントラスト比が高い
・ピントはピシャッと合っている
・価格帯的には明るさが優秀

Bad

・色の鮮やかさはそこそこ
・輝度はムラがある

Badポイントはどの格安機でも感じることなので、価格的にしょうがないところです。

総合的に見て、価格に対する画質のコスパはかなり優秀だと思います。寒色の映像は画面を明るく見せる効果があるので、とても明瞭な印象を受けます。ピント性能が優秀で、コントラスト比も高いので安く美しい映像を楽しみたい人に非常におすすめの製品です。

TOPTRO X6花火の映像

音は案外良い

TOPTRO X6の音質を確認

正直内蔵スピーカーには期待していませんでしたが、思ったより悪くなくて驚きました。

格安機にありがちな、音割れはほほとんど感じません。スピーカーを用意するのが面倒なら、普通に内蔵スピーカーを使っても問題ないレベルだと思います。

もちろん「そこそこ」の域を出る音質ではないので、余裕があれば外付けスピーカーを推奨です。

TOPTRO X6の使用感を確認

起動時間は31秒

OS内蔵プロジェクターは起動時間が45秒前後のものが多いので、X6は高速の部類です。起動時はGoogle OSのホーム画面が立ち上がるので、Youtubeやプライムビデオをすぐ楽しめます。

画面補正は垂直台形補正のみ自動

TOPTRO X6のフォーカスを調整
リモコンによるフォーカス調整

立ち上げ後、基本的にはリモコンを使って画面調整を行います。

・フォーカス → 手動(リモコン)
・垂直台形補正 → 自動
・水平台形補正 → 手動(リモコン)

電動フォーカスですが細かいピッチで調整できるので、ばっちりピントが合わせられます。

打ち込み角度が0度なのは残念

打ち込み角度0度
打ち込み角度がない場合
投影高さが低い
打ち込み角度の説明
打ち込み角度がある場合
投影高さが高い
打ち込み角度

プロジェクターのレンズとスクリーンに映る映像の中心までの角度を表す

X6は打ち込み角度が0度なので、映像を目線の高さまで上げるために高さのある台が必要です。打ち込み角度がある方が設置性が優れるので、ここは残念な部分でした。

ローテーブルだと高さが不十分な場合が多いので、プロジェクター台や、机、高さのあるラックの使用をおすすめします。

\耐荷重6kg/

\メタルラック/

ファンの音はそこそこ

騒音の目安

映像に集中するためにも、ファンの静音性は高い方が望ましいですね。

X6の騒音値を実測したところ、37.8dB(A)@1mという結果になりました。

TOPTRO X6の騒音を確認

「静か」という感じではありませんが、映像に集中していれば気にならないレベルであると思いました。

消費電力を確認

電力計での消費電力の測定結果は下記。

映像設定消費電力1時間の電気代※
デフォルト設定86W2.7円
※1kWあたりの電気代は31円で計算。地域や時期で価格が変動する点はご理解ください。

デフォルトの映像設定で、消費電力は84Wでした。50インチテレビの消費電力は100Wを超えることも多いので、そう考えるとお得な気もします。

内蔵OSは注意点あり

TOPTRO X6の内蔵OS

Google Playストアにアクセスが可能で、YoutubeやAbema、U-NEXTなど様々なアプリがラインナップされています。

Youtubeはリモコンでの動作が快適でしたが、プライムビデオなど一部のアプリはリモコンをマウスモードにしないと操作ができない場合があります。おそらく、TV用でなくPC/スマホ用のアプリがダウンロードされてしまっているのではないかと思います。

もし使いにくいと感じた場合はAmazon Fire TV Stickを購入して使いましょう。

リモコンはオーソドックスで使いやすい

TOPTRO X6のリモコン

リモコンは重さ39gで軽量。特筆すべき機能はありませんが、必要最低限のボタンがしっかりと配置されています。

反応速度は普通で、特に不便は感じないレベルでした。

The普通のリモコンです。

ゲームは僅かに遅延

ゲーム入力遅延測定

プロジェクターでゲームをする場合、気をつけなければいけないのが入力遅延。この値はスペックに書かれていないことが多いので、当サイトでは毎回遅延を測定しています。

以下、Leo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」による測定結果です。

◾️入力遅延【フルHD/60Hz測定】
標準モード → 177.7ms
ゲームモード → 77.5ms

ゲームモードは遅延が77.5msなので、速度は少し遅め。遅延は集中しないと分からないレベルではあるものの、1フレーム(=16.7ms)を争うような対戦ゲームは避けるべきでしょう。

RPGや軽いアクションゲームをする分には、問題なくプレイが可能です。

ジェクタ

遅延の少ないプロジェクターについては、以下の記事を参照ください

スマホ画面を共有可能

TOPTRO X6でミラーリング

スマホとプロジェクターを同一Wifiに接続することで、簡単に画面ミラーリングができます。最近のスマホの性能はかなり高いので、大画面で投影した時に高精細で驚きますよ。

まとめ:2万円以下で最強クラスのクオリティー

メリット
デメリット
  • 1万円台の価格
  • フルHDで高解像度の映像
  • フォーカス性能が高い
  • Android OS搭載
  • 彩度は価格相応
  • 動画アプリは操作性が悪い場合がある
  • 打ち込み角度が0度
  • ゲーム性能は高くない

これまで個人的な2万円以下最強は、WimiusのP63でしたが、そちらと甲乙がつけ難いくらい素晴らしい製品でした。というのも、スペックがほとんど同じで、色域やコントラスト値も似ていて、メニュー画面も同じなので、共通のパーツを使っているのでは?と思うほど使用感が似ていました。(同じリモコンで操作できましたし・・・・)

僅かに感じた違いとしては、X6の方がピントがピシャッと合い、映像がシャープなような気がします。一方ホワイトポイントについては、P63は中立の6500K位に合わせられますが、X6は7000K以下の設定を見つけられませんでしたので、寒色よりの画面になります。細かい違いですが、どっちに魅力を感じるかは人それぞれでしょう。

P63と並び、コスパ最強クラスの機種なのは間違いないので、入門機としてかなりおすすめです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

プロジェクターレビュー実績50機以上。
AV家電アドバイザー資格あり。

ホームシアターで見た映画は400本以上で、使用者の目線に立った実用的な考え方で実機レビューを行います。

目次