みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクタです。
今回レビューする製品は、フルHDの格安機TOPTROのX6です。格安機の中でも画質が良いという評判を視聴者の方からいただき、今回レビューをすることにいたしました。
結論から言うと、情報通り2万以下の中では最高クラスの映像美。
スピーカーやOSを搭載していて使いやすいのも魅力で、初心者の入門機として非常におすすめできます。
以下で徹底的にレビューをしていきますよ!
TOPTRO X6のスペックを確認
公式価格は24,999円ですが、Amazonではよく値引きされていて、18,000円位で買えることが多いです。※参考価格 2025/2/5 7000円オフクーポン適応で、17,999円
以下で実機を確認していきましょう!
TOPTRO X6の本体と付属品を確認

正面にはレンズと垂直台形補正用のセンサー、側面には排気口があります。ボディー材は光沢抑えめのプラスチックで、使いやすいシンプルなデザインだと思います。


上面には電源ボタンと操作ボタンがあります。

底面には三脚用のネジ穴と、角度調整用のネジ足が付いています。


底面から吸気フィルターが取り外せるので、排熱効率の低下を感じたら清掃すると良いでしょう。

付属品は以下の通りで、格安機ですがかなり充実しています。
取扱説明書、保証書、クリーニングクロス、清掃キッド、三脚、レンズカバー、HDMIケーブル、AVケーブル、リモコン


三脚が付いてくるのは嬉しいところです。


TOPTRO X6の画質を確認
様々な角度から、映像を徹底的に確認していきます。
- カラープロファイルの測定
- 映像の明るさ
- 色味
- 黒の表現
- 解像度
- 明るさの均一性



画像はタップで拡大できます
カラープロファイルの測定
プロジェクターのカラーキャリブレーションツール(Dispaly Plus HL)を使い、映像の特徴を確認していきましょう。
まずは映像モードごとのホワイトポイント、コントラスト比の測定を行います。
Q.ホワイトポイントとは?
画面上で白色がどのように表示されるかを定義する基準のことです。
標準的なホワイトポイントは6500Kがよく使われ、これよりホワイトポイントが低いと画面が暖色寄り、高いと寒色寄りの印象になります。


▪️暖色 → ◯温かみがある、落ち着く ✖️古い感じ、野暮ったい
▪️寒色 → ◯新しいイメージ、かっこいい ✖️無機質な感じ、冷たい
ホワイトポイントは6500Kが中立ですが、外部照明の状況や映画のトーン、好みに合わせ使い分けられます。
Q.コントラスト比とは?
最も明るい白(ホワイト)と最も暗い黒(ブラック)の輝度の比率を表します。例えば、「2000:1」のコントラスト比なら、白の明るさが黒の明るさの2000倍であることを意味します。
コントラスト比が高いほど、映像の奥行きやメリハリが増し、細かいディテールが見えやすくなります。


以下は各画像モード※のホワイトポイントとコントラスト比の測定値です。
※X6はHDMI接続時のみ画像モードを変更可能。内蔵OSでYoutubeやプライムビデオを見る場合はデフォルトの設定が適応されます。
画像モード | ホワイトポイント※ | コントラスト比 |
---|---|---|
標準 | 7588K | 1940:1 |
↑色温度(寒色設定) | 8662K | 1804:1 |
↑色温度(暖色設定) | 7082K | 1749:1 |
はっきりとした | 7581K | 2274:1 |
やわらかい | 8052K | 1567:1 |
どの設定もホワイトポイントは寒色よりで、「暖色」設定でも中立の6500Kより少し高いです。個人的には寒色よりの映像はかっこいい感じがするので好みですが、暖かい色味が好みな人はちょっと不満かもしれません。
一方コントラスト比は2000前後あるのでかなり優秀だと思います。黒がかなり濃いので、陰影の深い映像を楽しめます。
次に色域の測定結果です。色域が広いほど、表現できる色の範囲が広くなります。










※青線が測定値で、緑線がPCコンテンツ向けの標準的な色域を表すsRGB領域です
・色域はsRGB領域より狭いが、格安機としては妥当なレベル
・特に赤と緑の領域が狭い
次に、RGBプロファイルの補正カーブを見て見ましょう。RGBプロファイルの補正カーブは基本的にRGBが直線になることが望ましいです。










※RGBプロファイルに補正をかけるための曲線です。RGB出力強度は、上下逆で考えてください。
・RGBは少しずれていて、青が強めの印象。
・直線ではなくS字っぽいカーブになっているが、意図的に強弱をつけているかは不明。
個人的には一番色温度が中立よりの「標準」の暖色設定が一番好みでした。あとは「はっきりした」設定もカラーがビビットになり、見応えがあります。


ぜひ、購入時はデータを参考に、画像設定を変更してみてください。
※以下、実機の映像確認は出荷設定(標準モード/色温度標準)で行っています。
明るさスペックは700ANSIルーメン
ライト強


ライト弱


暗室








写真は100インチで投影した際の明るさ。
明るい部屋での視聴は厳しいですが、暗室なら大画面の映像を十分楽しめます。
カラーは寒色が強い
元画像


X6


元画像


X6


デフォルト設定のホワイトポイントが寒色よりのこともあり、全体的にクールな印象を受ける色合いです。発色は価格なりの域を出ないものの、色ごとの塗り分けがバランスよくできているため不自然な感じはしませんでした。
コントラスト比が高く、暗いシーンは綺麗に見える


コントラスト比は標準モードで1940:1とかなり高いです。
夜景や花火などの暗所のシーン、陰影の濃い自然風景などは、黒が深いおかげで見応えがあります。
ピント性能はかなり良い


映画の字幕やゲームのテキストなど、小さい文字もしっかり視認できます。日常で使われるフォントサイズでは、文字が読めずに困ることはないでしょう。
次にもう少し厳しいテストとして、更に小さい10段階のサイズの文字がどこまで見えるか検証します。
測定方法
※下の写真はX6の投影映像ではありません


中央+4隅でテスト


・レベル1〜10のどのサイズの文字まで潰れずに読めるかを目視で判定。
・解像度により、読み取れる文字サイズの限界があります。
フルHD → 「6」が限界
4K → 「4」が限界
以下は測定結果です。
画面中央


画面右上


左上 | 左下 | 中央 | 右上 | 右下 |
---|---|---|---|---|
8 | 8 | 7 | 8 | 8 |
X6はフルHDなので、理論上の限界はスコアは「6」
中央は理論上のフルHDの限界に近い「7」まで視認でき、4隅は「8」まで視認ができました。線は細く滲みも少ないので、格安機でここまでピントが合うのはすごいと思いました。
輝度はムラがある




照度計を用いて白画面9ヶ所の輝度を測定し、明るさのムラを確認してみます。右の図が測定結果で、最も明るい場所を100とした場合の輝度分布です。
スコア
9点の平均:71
最小値:53(左上)
真ん中が明るく、左右が暗いという結果でした。中心が明るいのははX6に限った話ではなく、格安機全体に見られる傾向ですね。
普段気になることはほとんどありませんが、画面全体が白いシーンでは、輝度のムラを感じることもあります。
画質の評価まとめ
- Good
-
・コントラスト比が高い
・ピントはピシャッと合っている
・価格帯的には明るさが優秀 - Bad
-
・色の鮮やかさはそこそこ
・輝度はムラがある
Badポイントはどの格安機でも感じることなので、価格的にしょうがないところです。
総合的に見て、価格に対する画質のコスパはかなり優秀だと思います。寒色の映像は画面を明るく見せる効果があるので、とても明瞭な印象を受けます。ピント性能が優秀で、コントラスト比も高いので安く美しい映像を楽しみたい人に非常におすすめの製品です。


音は案外良い


正直内蔵スピーカーには期待していませんでしたが、思ったより悪くなくて驚きました。
格安機にありがちな、音割れはほほとんど感じません。スピーカーを用意するのが面倒なら、普通に内蔵スピーカーを使っても問題ないレベルだと思います。
もちろん「そこそこ」の域を出る音質ではないので、余裕があれば外付けスピーカーを推奨です。
TOPTRO X6の使用感を確認
起動時間は31秒
OS内蔵プロジェクターは起動時間が45秒前後のものが多いので、X6は高速の部類です。起動時はGoogle OSのホーム画面が立ち上がるので、Youtubeやプライムビデオをすぐ楽しめます。
画面補正は垂直台形補正のみ自動


立ち上げ後、基本的にはリモコンを使って画面調整を行います。
・フォーカス → 手動(リモコン)
・垂直台形補正 → 自動
・水平台形補正 → 手動(リモコン)
電動フォーカスですが細かいピッチで調整できるので、ばっちりピントが合わせられます。
打ち込み角度が0度なのは残念


投影高さが低い


投影高さが高い
プロジェクターのレンズとスクリーンに映る映像の中心までの角度を表す
X6は打ち込み角度が0度なので、映像を目線の高さまで上げるために高さのある台が必要です。打ち込み角度がある方が設置性が優れるので、ここは残念な部分でした。
ローテーブルだと高さが不十分な場合が多いので、プロジェクター台や、机、高さのあるラックの使用をおすすめします。
\耐荷重6kg/
\メタルラック/
ファンの音はそこそこ


映像に集中するためにも、ファンの静音性は高い方が望ましいですね。
X6の騒音値を実測したところ、37.8dB(A)@1mという結果になりました。


「静か」という感じではありませんが、映像に集中していれば気にならないレベルであると思いました。
消費電力を確認
電力計での消費電力の測定結果は下記。
映像設定 | 消費電力 | 1時間の電気代※ |
---|---|---|
デフォルト設定 | 86W | 2.7円 |
デフォルトの映像設定で、消費電力は84Wでした。50インチテレビの消費電力は100Wを超えることも多いので、そう考えるとお得な気もします。
内蔵OSは注意点あり


Google Playストアにアクセスが可能で、YoutubeやAbema、U-NEXTなど様々なアプリがラインナップされています。
Youtubeはリモコンでの動作が快適でしたが、プライムビデオなど一部のアプリはリモコンをマウスモードにしないと操作ができない場合があります。おそらく、TV用でなくPC/スマホ用のアプリがダウンロードされてしまっているのではないかと思います。
もし使いにくいと感じた場合はAmazon Fire TV Stickを購入して使いましょう。
リモコンはオーソドックスで使いやすい


リモコンは重さ39gで軽量。特筆すべき機能はありませんが、必要最低限のボタンがしっかりと配置されています。
反応速度は普通で、特に不便は感じないレベルでした。
The普通のリモコンです。
ゲームは僅かに遅延


プロジェクターでゲームをする場合、気をつけなければいけないのが入力遅延。この値はスペックに書かれていないことが多いので、当サイトでは毎回遅延を測定しています。
以下、Leo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」による測定結果です。
◾️入力遅延【フルHD/60Hz測定】
標準モード → 177.7ms
ゲームモード → 77.5ms
ゲームモードは遅延が77.5msなので、速度は少し遅め。遅延は集中しないと分からないレベルではあるものの、1フレーム(=16.7ms)を争うような対戦ゲームは避けるべきでしょう。
RPGや軽いアクションゲームをする分には、問題なくプレイが可能です。



遅延の少ないプロジェクターについては、以下の記事を参照ください


スマホ画面を共有可能


スマホとプロジェクターを同一Wifiに接続することで、簡単に画面ミラーリングができます。最近のスマホの性能はかなり高いので、大画面で投影した時に高精細で驚きますよ。
まとめ:2万円以下で最強クラスのクオリティー
これまで個人的な2万円以下最強は、WimiusのP63でしたが、そちらと甲乙がつけ難いくらい素晴らしい製品でした。というのも、スペックがほとんど同じで、色域やコントラスト値も似ていて、メニュー画面も同じなので、共通のパーツを使っているのでは?と思うほど使用感が似ていました。(同じリモコンで操作できましたし・・・・)
僅かに感じた違いとしては、X6の方がピントがピシャッと合い、映像がシャープなような気がします。一方ホワイトポイントについては、P63は中立の6500K位に合わせられますが、X6は7000K以下の設定を見つけられませんでしたので、寒色よりの画面になります。細かい違いですが、どっちに魅力を感じるかは人それぞれでしょう。
P63と並び、コスパ最強クラスの機種なのは間違いないので、入門機としてかなりおすすめです。