みなさんこんにちは、プロジェクターオタクのジェクタです。
今回はAnker最新の4Kプロジェクター「Nebula Comos 4K SE」をレビューしていきます。
何を隠そう私はAnkerプロジェクターのファンで、自腹で10機以上のAnkerプロジェクターをレビューしてきました。
そして、今日も自腹レビューです!
今回の「Nebula Cosomos 4k SE」は製品名と価格的に、2年前に発売されたNebula Cosmos Laser4Kの廉価版っぽい雰囲気ですが、実はそれは間違い。
ほぼ全てのAnker製品をレビューし、使い続けてきた私の意見としては、映像は最上位機種に負けてないと感じてます!というか、個人的な好みでいうと4K SEの映像の方が好きです。
さらに本機はAnker初搭載の技術が盛りだくさん。
・4K/1800ANSIルーメンの明るくはっきりした映像
・初レーザーとLEDハイブリットビームによる10.7億色の色表現
・初DolbyVision対応
・初Nebula Masterによる綿密な映像調整
・様々なコンテンツを楽しめるGoogle TV搭載
・15W×2のDolby Digital Plus対応スピーカー
特筆すべきは発色で、これは上位機種(という位置付け)のNebula Csomos Lasesr 4Kに勝っています。カラーと明暗の調整が本当に素晴らしく、映像を見ている時の幸福感がすごいです。
今回の記事では、そんなNebula Cosmos 4K SEの魅力を徹底的に解説していきますよ。
Nebula Cosmos 4K SEのスペック
Nebula Cosmosはアンカーの据え置きプロジェクターのブランドで、現在4つのグレードの製品が販売されています。
今回レビューするNebula Cosmos Laser 4K SEは価格的には上から2番目の機種となりますが、約2年ぶりの新製品ということで様々な新機能が追加されています。
※2 実機で2.4/5GHzで接続を確認しました
本機は最大200インチの映像を投影可能。投影距離と画面距離の関係は以下になります。
スクリーンサイズ [インチ] | 投影距離 [m] |
---|---|
60 | 1.59 |
80 | 2.13 |
100 | 2.66 |
120 | 3.19 |
140 | 3.45 |
160 | 4.25 |
180 | 4.78 |
200 | 5.05 |
以下はシリーズの中でNebula Cosmos 4K SEだけに搭載されている注目技術。
注目の新技術
- Laser+LEDのハイブリット光源
-
レーザーとLEDを組み合わせることで、10.7億色の色を表現。ハイビジョンの色域規格のRec709のカバー率は123%。また、色の正確性を表すΔEは一以下で、忠実に色を表現します。
- Dolby Vision対応
-
Anker製品で初めてDolby Visionに対応。HDRよりもさらにきめ細かな明暗表現で、シーン毎の輝度を動的に最適化することができます。
- Nebula Master搭載
-
独自エンジンで、フレーム毎に緻密な映像調整を行う。各フレームのガンマを2.2に合わせた補正を施すことで、映像本来の正確なコントラストを表現することができます。
公式サイトの内容を参考にしています
レーザー+LEDは表現できる色の引き出しが広く、Nebula Masterの制御システムにより色を適切に表現します。後ほど具体的に解説しますが、映像が本当に素晴らしいんです。
Nebula Cosmos 4K SEの本体と付属品
箱はこのような感じ。
正面にはレンズと画面調整用のセンサーが2つ。
15Wスピーカーを2機搭載しています。
背面には各種接続端子。HDMIはeARCに対応したので、サラウンドやDolbyAtmos音源など、高品位の音声データをスピーカーに出力可能になりました。
AC、HDMI×2(1つはeARC対応)、USB-A、AUX
本体のボタンは上面の電源ボタンのみです。
底面には3脚用のネジ穴があります。天吊り用のネジ穴がないのは、シリーズ通して少し残念なところ。
本体の重さは4.6kgで大型ですが、取っ手があるので持ち運びは楽です。
全体的なデザインはNebula Cosmos Laser 4Kと同じですが、カラーが若干違います。SEの方が明るめのシルバーですね。
付属品は以下。重いACアダプターがない点はポイントが高いです。
電源ケーブル、リモコン、単4電池、説明書
Nebula Cosmos 4K SEの映像を確認
100インチの映像で、以下の4つのポイントを確認。
- 明るさ
- 色味
- 解像度
- カラーコントラスト調整
写真をタップで拡大できます
部屋のライト全灯でも映像が視認できる明るさ
とても明るい部屋
Nebula Cosmos 4K SE
少し明るい部屋
Nebula Cosmos 4K SE
暗室
Nebula Cosmos 4K SE
1800ANSIルーメンは相当な明るさで、リビングやシアタールームで主役として活躍可能。ライト全灯でも映像を視認できてしまうパワーがあります。
昼でも、カーテンを閉めれば光量は十分です。
◯レーザー+LEDの発色は圧巻
元画像
Nebula Cosmos 4K SE
元画像
Nebula Cosmos 4K SE
Anker初のレーザー×LEDのハイブリット光源は発色が本当に美しいです。
2年前に発売されたNebula Cosmos Laser 4Kはお気に入りのプロジェクターでしたが、長く使ってたからこそ、今回発売されたSEの発色に衝撃を受けました。
カラーの美しさと正確性はLaser SEが勝る印象でした。鳥の毛の発色と、くちばしの表現に注目すると違いがわかると思います。
一方明るさ、コントラストは上位機のNebula Cosmos Laser 4Kに劣ると思いました。下の写真の岩肌や服の黒に注目すると、Nebula Cosmos Laser 4Kの方が黒が濃いようにみえます。
解像度は高く、場所によるムラが少ない
4Kの映像は、文字の輪郭ははっきりしていて視認性は良好。映画の字幕や、ゲームの文字の読み取りにストレスはありません。
さらに画質が劣化しやすい画面端も、中心とほぼ変わらないクオリティでした。
画面全体が美しい!
画質の調整機能が優秀!カスタマイズも可能
画像モードは標準、ビビット、スポーツ、映画、ゲーム、会議などのお馴染みのモードに加えて、場面毎にトーンを最適化するNebula Masterモードを搭載。こちらがとても優秀で、色ははっきり、コントラストクッキリでモニターやタブレットを見てるような感覚に一番近い印象を受けました。
もちろんブラックポイントや明るさ、コントラスト、色調、色温度などで手動で細かいカスタマイズもできるので、画面作りを好みに寄せることもできます。
また、壁色に合わせて色味を修正してくれる「壁色補正」機能搭載なので、色がついている壁でも使いやすいのは嬉しい点ですね。
Dolby Digital Plus対応の音は高クオリティー
15W×2基のスピーカーはDolby Digital Plus対応。4Kの高画質に負けないクオリティの高い音を鳴らしてくれます。
高級な外付けスピーカーには流石に劣るものの、中途半端なスピーカーよりは圧倒的に音がいいので、内蔵スピーカーでも映画やゲームなどのコンテンツを楽しむことができます。
左右のスピーカーの音は広がりがあるので、どの方向に座ってもOKです。
Nebula Cosmos 4K SEの使用感を確認
起動時間は47秒
OS搭載型のプロジェクターとしては、標準的な起動速度です。
電源長押し → シャットダウン
電源を1度押す → スリープモード
のような形になり、スリープモードからの起動は数秒ほどで高速でした。
画面調整機能はとても優秀
全自動のフォーカスと台形補正のおかげで画面調整がとても楽。ピント合わせの速度や精度も、改善されているように感じました。
また、スクリーンフィット機能や障害物回避機能といったインテリジェンス機能を搭載。勝手に状況を判断してくれるので、大体の場合「ぽん置き」で位置合わせが完了します。
排気ファンは静音性が高い
ファンの騒音は28dBで、スペック的にはCosmosシリーズの中で最も静音性に優れます。これは鉛筆の筆記音以下。
本体スピーカーの音がパワフルなこともあり、映画を見てる間ファンの音は全く気になりませんでした。
台か3脚が必要
本体は角度調整機能がないので、目線の高さまで映像を上げるために三脚か台が必要です。底面に折りたたみスタンドがあると嬉しかったですね。
場所は固定してしまうのが理想ですが、ハンドルが付いて持ち運びやすいので、「使う時だけ出す」という使い方でも問題ないでしょう。
リモコンは暗闇で光る!動作もサクサク
・動作が快適
・音声検索可能
・YouTube、Netflix、プライムビデオの直通ボタンあり
・暗闇で光る
と、リモコンはかなり優秀です。
また本機はNebula Connectアプリを使うことで、スマホ操作が可能です。こちらはBluetooth接続で、動作速度が快適です。
リモコン操作、スマホ操作どちらも快適なので好きな方を使いましょう
OSはGoogleTVに進化
初期設定のアナウンスに従ってGoogleアカウントと連携するだけで、YouTubeやAmazonプライムビデオなどの動画配信サービスをすぐ楽しめます。
これまでのAndroid TVと何が違うの?
Google TVでは、様々な映像コンテンツに横断的にアクセスできるです
例えば、ホーム画面の「大ヒット映画」欄には、NetflixやPrimeVideo、U-NEXTなど複数サービスを跨いだ、自分のためのラインナップが表示されます
お馴染みの動画配信サービスに対応していて、Netflixの動画も安心して見られます。Anker公式サイトでは、アプリの対応状況を随時更新しています。
スマホ画面のミラーリングが可能
無線接続でスマホの映像を投影できます。iPhone撮影したHDR映像を、大画面で投影すると思った以上に綺麗で驚きますよ。
- iPhoneの接続手順
-
1. プロジェクターに Nebula Cast アプリをインストール
2.Nebula Castアプリを開き、画面の指示に従って操作
3.お使いのデバイスのコントロールセンターを開き、[スクリーンミラーリング]のアイコンをタップ
4.デバイス一覧から「NEBULA Cosmos 4K SE」をタップ - Androidの接続手順
-
1. Google Home アプリを開き、「NEBULA Cosmos 4K SE」を選択
2.ページ上で「画面をキャスト」をタップ
ゲームは低遅延で快適
本機は2種類のゲームモードを搭載。
- Standardゲームモード
通常設定より反応速度が速い。 - Extremeゲームモード
反応速度が更に高速だが、台形補正が不可になる。
実際にLeo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」を使ってプロジェクターの入力遅延を測定してみました。
フルHD/60Hz測定
・通常モード:134.3ms
・ゲームモード(Standard):35.1ms
・ゲームモード(Extreme):18.3ms
※4K/60Hzも測定を試みましたが、うまく信号が入力されませんでした。Amazon FireTVStick4Kの4K/60Hz信号は入力できていたので、測定機器との相性の問題だと思います。
Extremeでは入力遅延18.3msとかなり高速です。同条件のNebula Cosmos Laser4K(=57.2ms)と比べても大幅に進化しています。
実際にスマブラやマリオ、モンハンをプレイしてみましたが、体感的な遅延は感じませんでした。
まとめ:価格は安く、映像は美しく進化した最高傑作
iPhone SEのイメージで、SEがつくと廉価版をイメージすると思いますが、個人的にはCosmosシリーズの最高傑作だと思います。
約2年ぶりの新作は、新しいハイブリット光源の発色と映像のシャープには驚き、そしてNebulaManegerによるシーン毎の映像マネジメント機能には基盤技術の大幅な進化を感じました。
明るさと黒の深さこそ上位機種に劣るものの、1800ANSIルーメンは昼でも使える十分な明るさです。発色の正確さは、価格が上のNebula Cosmos Laser4Kを超えていると思います。
4K / Dolby Vision対応で20万円以下はコスパがいいです。
プロジェクターオタクとして心から激推しできる一台なので、気になる方はぜひAmazonや公式サイトで詳細を確認して見てください。
他のCosmosシリーズとの比較が気になる方は、こちらの記事で全機種比較しています。