Ankerのプロジェクターの中で、最も本格的な映像を楽しめるのが「Nebula Cosmos」シリーズです。
Cosmos シリーズには「Nebula Cosmos」、「Nebula Cosmos Max」、「Nebula Cosmos 4K SE」、「Nebula Cosmos Laser 4K」の4つがありますが、どれを選べばよいか悩みますよね。
何が違うか分かりにくいわ
そこで今回は週1台のペースでプロジェクターをレビューしている筆者が、 Cosmosシリーズの4機種を実機比較していきます。
- 映像、音、使い勝手の違い
- どんな人に、どれがおすすめか
本記事を読むとこのような疑問を解決できますので、ぜひ参考にしてください。
Nebula Cosmosシリーズのスペックを比較
Nebula Cosmos シリーズ一覧
※2 実機で2.4/5GHzで接続を確認しました
基本的に上位機種になるほど高輝度の代わりに大型化していきます。
最新鋭の Nebula Cosmos 4K SEはフレーム毎のコントラストを最適に調整するNebula Manegerや、Dolby Visionへの対応など、進化を遂げている部分が多い印象です。
サイズ感を比較
機種名 | 特徴 |
---|---|
Nebula Cosmos(2kg) | ・片手で持てる ・小型の三脚を使える |
Nebula Cosmos Max(3.6kg) | ・両手でないと持てない |
Nebula Cosmos 4K SE(4.5kg) Nebula Cosmos Laser 4K(4.9kg) | ・重いが、持ち運び用のハンドルがある |
Cosmosは軽いので小型三脚を使えるのは嬉しいところです。
一方Cosmos Max、Cosmos Laser4K、Cosmos 4K SEは重いので、三脚を使うならしっかりとしたものが必要。
本体を何回も出したりしまったりすると落としてしまうリスクがあるので、こちらの2機種は専用のローテーブルやラックなどを用意して、場所を固定する方が良いでしょう。
高さのあるラックを用意して、後ろから投影するのがおすすめ。ラックの裏に配線を隠せるので見栄えもいいですよ。
ちなみに、投影距離と画面サイズの関係は以下の通り。
投影インチ数 | Cosmos Cosmos Max Cosmos 4K SEの投影距離 | Cosmos Laser 4Kの投影距離 |
---|---|---|
60インチ | 1.6m | 1.68m |
80インチ | 2.13m | 2.25m |
100インチ | 2.66m | 2.81m |
120インチ | 3.18m | 3.37m |
レイアウトをあらかじめ検討しておこう
Cosmosシリーズ4機種の映像はどのくらい違う?
プロジェクター選びでいちばん重要なポイントは映像ですよね。
4機種について、映像に関するスペックの違いは以下の通り。
機種名 | 光源 | 色域 | 明るさ [ANSIルーメン] | 解像度 |
---|---|---|---|---|
Cosmos | LED | 不明 | 810 | フルHD |
Cosmos Max | LED | 不明 | 1500 | 4K |
Cosmos 4K SE | LED+レーザー | Rec.709:123%カバー | 1800 | 4K |
Cosmos Laser 4K | レーザー | Rec.709:123%カバー | 2200 | 4K |
以下で、実際の映像を見ながら違いを確認していきましょう。
色再現度はハイブリット光源のCosmos 4K SEが優れる
どの機種も映像は美しいですが、比べると以下のような違いがあります。
・LED光源のCosmosやCosmos Maxは若干画面が青っぽい印象を受けました。ライムのカラーを見ると違いがわかります。
・4K SEとLaser 4Kはでは、4K SEの方がより色が正確に感じました。4K SEはフルーツ毎の色の塗り分けにメリハリがあります。特に赤いカラーの鮮やかさの差が印象的です。
もう一枚、高額な2機種に絞って比較をしてみます。鳥の毛の発色と、くちばしの表現に注目するとやはり4K SEの方がより色が正確で美しいように感じます。
色の美しさを追求するなら、Cosmos 4K SE
画面のメリハリがあるのはNebula Cosmos Laser 4K
レーザー光源は高いコントラスト比が得られるのが特徴です。
最上位機種のCosmos Laser 4Kは最も輝度が高く、黒も深いので画面の力強さは一番感じました。
以下の写真は、Cosmos 4K SEとCosmos Laser 4Kの比較写真。女性の服や岩肌の黒色がより濃いのがわかると思います。
明るさは価格順
ライト全灯の部屋で投影
Cosmos MaxとCosmos Laser 4Kは、ライト全灯の明るい環境でも映像がくっきり見えました。
天窓のある部屋など昼間暗くできない環境で使いたいなら、上位機種がおすすめね
昼間でもカーテンで部屋を薄暗くできるなら、Nebula Cosmosでも明るさは十分です。
暗室で投影
フルHDは高解像度、4Kは更に滑らか
フルHDのCosmosでも文字はかなりキレイで、ドット感は感じません。
もちろん4Kプロジェクターでは、画素数がフルHDの4倍になるので更に滑らかな映像に。
フルHDと4Kって、体感的にどのくらい違うの
大画面の4Kコンテンツ再生では映像のくっきり感に差を感じます。
80インチ以下の小さい画面や、フルHDコンテンツでは、肉眼であまり差を感じませんでした。
上位機種は包み込まれるような立体感のある音響に
どの機種もスピーカーはDolby Digiral Plus対応で、クリアなマルチチャンネルサラウンドを体験できます。
スピーカー構成は以下の通り。
機種名 | スピーカー構成 |
---|---|
Nebula Cosmos | 10W×2基 |
Nebula Cosmos Max | 10W×4基 |
Nebula Cosmos 4K SE | 15W×2基 |
Nebula Cosmos Laser 4K | 10W×2基+5Wツイーター×2基 |
Anker製品だけありどの機種も音は素晴らしかったです。
音の感動度に個人的に順位をつけると、
Cosmos <<Cosmos4K SE<Cosmos Max<Cosmos Laser 4K
という印象。
CosmosやCosmos4K SEでも並のTVスピーカーよりかなりよい音ですが、Cosmos Maxは4基のスピーカーでより立体感のある音をパワフルに鳴らします。低音の歯切れも良いです。
そして、Cosmos Laser 4Kはツイーターのおかげで高音の表現の繊細さに磨きがかかっています。
流石に高級スピーカーには勝てないけど・・・
Cosmosシリーズの内蔵スピーカーは最高峰よ
もし外部スピーカーとの接続方法を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
Nebula Cosmosシリーズの使い勝手を比較
Cosmos Laser 4Kは入出力端子が少ない
機種 | 接続端子 |
---|---|
Cosmos | HDMI2.0×2(1つはARC対応)、USB-A、光デジタル |
Cosmos Max | |
Cosmos 4K SE | HDMI2.1×2(1つはeARC対応)、USB-A、AUX |
Cosmos Laser 4K | HDMI2.0、USB-A、AUX |
最新機のCosmos 4K SEのみHDMI規格が最新の2.1でeARCに対応しています。これによって本体からサラウンドデータやDolby Audioなどのより高品位なデジタル音声データをHDMIでスピーカーに出力できます。
画面調整機能は上位2機種が全自動で優秀
機種 | フォーカス | 台形補正 | スクリーンフィット | 自動障害物回避 |
---|---|---|---|---|
Cosmos | 自動 | 垂直オート 水平手動 | 非対応 | 非対応 |
Cosmos Max | 自動 | 垂直オート 水平手動 | 非対応 | 非対応 |
Cosmos 4K SE | 自動 | 垂直オート 水平オート | 対応 | 対応 |
Cosmos Laser 4K | 自動 | 垂直オート 水平オート | 対応 | 非対応 |
Nebula Cosmos Laser4Kは垂直だけでなく水平方向の画面調整も自動で、プロジェクター起動時の画面調整が最も簡単です。
場所を固定して使う場合は、これらの画面調整機能はあまり重視しなくても良いと思います。
どの機種もアプリ操作は快適
各機種Android TVを搭載していて、様々な動画配信サービスを楽しむことができます。
Cosmos → Android TV 9.0
Cosmos Max → Android TV 9.0
Cosmos 4K SE → Google TV
Cosmos Laser 4K → Android TV10.0
最新機の4K SEはGoogle TV、他はAndroid TVを搭載しています。ホーム画面に出てくるおすすめ作品に差はありますが、YouTubeやプライムビデオのアプリを開いてしまえば操作感に差はありません。
どの機種も快適です。
Ankerの公式サイトでは、各動画配信サービスの利用可能状況を随時更新しています。
対応サービス
Disney+、YouTube、Prime Video、Netflix、DAZN、Hulu、U-NEXT、dTV、Paravi、FOD、Abema TV、TVer
全機種ゲームを十分楽しめる
各機種ゲーム時は設定を変更することで、入力遅延の低減が可能。
機種 | ゲーム用の設定 |
---|---|
Cosmos | Standard:ゲームモードの標準 Extreme:反応がより高速の代わりに、台形補正、Zoomが不可 |
Cosmos Max | Low Latency mode 搭載 |
Cosmos 4K SE | Standard:ゲームモードの標準 Extreme:反応速度がより高速の代わりに、台形補正が不可 |
Cosmos Laser 4K | Standard:ゲームモードの標準 Extreme:反応速度がより高速の代わりに、画質がフルHDに低下 |
実際にLeo Bodnar Electronicsの「4K Lag Tester」を使って入力遅延を実測した結果がこちら。
4K/60Hz条件
・Cosmos Max:60ms
・Cosmos 4K SE:不明(測定を試みたが、映像が出力されず。)
・Cosmos Laser4K:51.3ms
フルHD/60Hz条件
・Cosmos:42ms
・Cosmos Max:52.9ms
・Cosmos 4K SE:18.3ms
・Cosmos Laser4K:57.2ms
どの機種も遅延は60ms以下なので、なかなか快適。普通にゲームをプレイする分には遅延がわからないレベルです。
特に最新機のCosmos 4K SEはフルHD60Hz条件では遅延18.3msと群を抜いて高速でした。4K/60Hz条件はなぜか測定ができなかったのですが、Amazon Fire TV Stickの4K/60Hz信号の入力はできたので、機器の相性の問題だと思います。
入力遅延の測定方法と、他の機種の測定結果は以下の記事を参考にしてください
どんな人に、どの機種がおすすめか
個人的な画質、音質、操作性に関する相対評価は以下の通りです。
Cosmos Laser 4K | Cosmos 4K SE | Cosmos Max | Cosmos | |
---|---|---|---|---|
外観 | ||||
税込価格※ | ¥249,900 | ¥199,900 | ¥149,900 | ¥89,900 |
映像の美しさ | ||||
音の美しさ | ||||
機能性 |
※ 実機の比較評価に基づく相対評価です
映像:レーザー+LEDの発色の良さと映像のシャープさが印象的な4K SEが個人的に1番良かったです。次点のLaser4Kは明るく、コントラストがはっきりしていて迫力がありますが、カラーの再現性で劣る印象でした。人によって1位と2位は評価が割れると思います。
音:Laser 4Kの音が一番広がりがあり、聞き応えのある音でした。ツイーター搭載で、高音の抜け感が一番良かったです。
機能性:4K SEが最も機能が豊富。UIも使いやすくて、特に欠点を見つけられませんでした。
以下で各機種がどのような人におすすめか述べていきます。
イチオシは最新機のNebula Cosmos 4K SE
個人的な好みとしては、本機の映像が一番好きでした。
Laser+LEDの映像は、最新鋭のスマホやタブレットの映像をそのまま拡大したかのように鮮やかでシャープです。
またセンサーを利用した自動調光機能や、シーン毎のコントラストを最適に調整するNebula Maneger機能など、Anker最先端の機能を搭載しています。
Dolby Vision対応の4Kプロジェクターで20万を切るのもかなりコスパが良い。
迷ったらこれを選べば後悔ないでしょう。
・発色が良くシャープな映像を楽しみたい人
・Dolby Vision対応コンテンツを見たい人
・ゲームを低遅延で楽しみたい人
4Kに必要性を感じないならNebula Cosmos
正直フルHDの Cosmosでも十分に映像はキレイです。
「この映像、4K画質だよ」と言われたら、筆者は騙されます。そのくらいレベルの高い映像です。
・4Kにこだわりがない人
・明るい部屋で使う予定のない人
・10万円以下で、美しい映像を楽しみたい人
4Kにこだわりがなければ、Nebula Cosmosで十分に満足できます。
本体サイズが小さめなので、収納しやすい点も魅力です。
4K映像をとにかく安く体験したいなら、Nebula Cosmos Max
発色は上位機種に劣るものの、15万円以下で鮮明な4K映像を楽しめるのが魅力。
また、10W×4基のスピーカーの包み込まれるような音は、TVでは体験したことがないほどリッチで美しかったです。どの方向に座っても良い音が聞こえるのには驚きました。
・なるべく安く4K映像を楽しみたい人
明るくメリハリのある映像は、Nebula Cosmos Laser 4K
かなり明るいので、ある程度明るい部屋でも見れるのが魅力でしょう。また、レーザー光はコントラストが高く、バキッとしたメリハリのある映像を楽しめます。
特別な映像を見てる感覚が一番強いのは本機でした。
また音は立体感があり、最も美しかったです。
圧巻の映像と音で、どんな場所でも映画館に変えてしまうパワーのある1台です。
・昼間もなるべく明るい映像を楽しみたい
・コントラストの高い、メリハリのある映像を楽しみたい
・内蔵スピーカーの音を重視したい
Anker Nebula Cosmosシリーズの比較まとめ
本記事では、AnkerのNebula Cosmosシリーズ4機を比較しました。
どの機種も映像は素晴らしいので、「どこまで高画質を追い求めるか」という視点で考えると良いでしょう。
各機種個別のレビュー記事がありますので、さらに深掘りして知りたい方はご活用ください。
個別のレビュー記事