プロジェクターを選ぶとき、投影の方式を意識したことがありますか。
✔︎LCD方式 ✔︎LCOS方式 DLP方式
上記3種類が主流ですが、それぞれに強みと弱みがあります。
聞いたことないし、よくわからないわ・・・
確かに、少し難しい内容だし、理解してる人は少ないね・・・
でも、プロジェクターの特徴を決める重要な要素だよ
投影方式への理解を深めることで目的に合ったプロジェクターを選べるようになります。
本記事ではそれぞれの方式の原理と特徴を詳しく解説します。
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基礎知識 ~光の3原色~
プロジェクターは光の3原色である赤・緑・青(RGB)を重ねて色を表現します。
下のように、RGBの明度の調整であらゆる色が表現できます。
プロジェクターの画像は、とても小さな点(画素)の集まりなんだ。
そしてこの画素は、1つ1つRGBの重ね合わせで調色されているんだよ。
基本的にプロジェクターの内部で行われていることは、
- 光源からRGB光を作る
- 画素ごとのRGB光の明度調整
- RGB光を重ねる
となります。
LCD、LCOS、DLPでは1〜3を行うための原理が違います。
LCD方式
LCDは「Liquid Crystal Display」の略で、日本語で液晶ディスプレイを表します。お手頃な価格から高価格のものまで選択肢の幅が広く、家庭用でも広く普及している方式です。
LCDプロジェクターの構造
水銀ランプ等の光源からRGBが混ざった白色光が発せられ、ダイクロックミラーへ向かいます。
ダイクロックミラーは特定の色の光を透過して、他は反射する性質を持つので、図のように2枚使うことで白色光をRGBの3色に分離できます。
次に、分離されたRGB光はそれぞれ液晶パネルを透過します。その際液晶パネルでは、画素単位でRGB光の明度が調整されます。
液晶ってなに?
光をどのくらい通すか調整する、フィルターみたいなものだよ
液晶は個体と液体の中間の状態をもつ物質です。液晶は電気をかけることで分子の配列を制御し、そこを通過する光の振動の向きをコントロールできます。液晶パネルでは、偏光板と呼ばれる特定の振動の光をカットするフィルターと液晶を組み合わせ、光の明度をコントロールしています。
最後に液晶を透過したRGB光がプリズムで合成され、フルカラーの映像として投射されます。
LCDプロジェクターのメリット/デメリット
選択肢が広く、初心者にもおすすめ。黒の表現が若干苦手ですが、技術の進歩で気にならないレベルになってます。
プロジェクター大手のEPSONは主力製品が大体LCDだね
中華の格安プロジェクターもほぼLCD
メーカーや値段の幅が広い方式ね
LCOS方式
LCOSは「Liquid Crystal On Silicon」の略で、日本では反射型液晶素子と呼ばれます。LCDと同じく液晶を使いますが、投影の仕組みが違います。価格も高価な傾向があり、LCDのグレードアップ版といえるような方式です。
LCOSプロジェクターの構造
白色光をRGBに分解するところまではLCD方式と似ていますが、以後の構造が大きく違います。
まず、RGBに分解された光はそれぞれPBS(偏光ビームスプリッタ)に入射します。複雑なので詳細は割愛しますが、PBSは光の反射と透過を制御する素子であると考えてください。
PBSに入射した光はLCOSに向けて反射されます。LCOS部では、液晶を利用し画素ごとの明度調整を行った上で光を反射します。
最後にLCOSで反射されたRGB光はプリズムで合成され、レンズを通してスクリーンへ投影されます。
難しいわ・・・
さっきのLCDと何が違うの?
光を透過させるか反射させるかが、大きな違い!
LCOSは回路の影が映らないので、高精細な表現ができるんだ。
LCOSプロジェクターのメリット/デメリット
最高の映像体験をしたい人におすすめのハイエンド品です。
DLP方式
DLPは「Digital Light Processing」の略です。アメリカのテキサス・インスツルメンツ社が開発した独自のテクノロジーが使われています。少し複雑な機構ですが、以下で解説して行きます。
DLPプロジェクターの構造
光源から出た白色光をカラーホイールに透過させRGBの単色光を作ります。
(または、RGB3色のレーザー/LEDを用いて3色の光を交互に投影)
カラーホイールを通過した光は、DLPチップで反射され、レンズに向かいます。
このDLPチップがテクノロジーの肝だよ
DLPチップには極小のマイクロミラーが敷き詰められており、その1つが1画素に相当します。
マイクロミラーは1枚ずつ角度を変えることが可能で、投影レンズへ向けて光を反射するか、吸光板に向けて反射する(スクリーンに映さない)のかを制御します。
マイクロミラーが光のON/OFFのスイッチの役割をしてるんだ
マイクロミラーのON/OFFは目に見えないくらい高速で切り替えることが可能です。DLPプロジェクターでは、このON/OFFの繰り返しによって明度をコントロールします。
例えば、明るさを最大にしたければON状態を維持すればいいし、黒くしたければOFFにすれば良い
中間の明るさは、ON/OFFを時間調整しながら繰り返すことで表現可能
また、カラーフィルターは絶えず高速回転しているため、DLPチップが反射する色はR・G・Bに連続で変化します。
DLP方式では、目で追えないほど高速で色と明度が切りかわる残像によって映像を認識するのです。
もし時間をスローモーションにできるなら、赤・緑・青の画像がぱらぱら漫画のように見えるのね
DLPプロジェクターのメリット
持ち運びのできる小型のプロジェクターに多い方式で、黒の表現が得意。
Ankerで話題のNebulaシリーズは、DLP
こんな感じの手のひらサイズのプロジェクターも DLP
ちなみにDLPプロジェクターの中には、DLPチップを3枚搭載したハイエンド機もあります。そちらは高機能ですが、サイズが大型で高額になります。
プロジェクター投影方式の違いのまとめ
方式ごとの特徴のまとめは以下の通り。
方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
LCD | 豊かなカラー表現 | 黒浮き |
LCOS | 高画質 | 価格が高い |
DLP | 高コントラスト | レインボーノイズ |
特徴を理解すると、プロジェクターに対する見え方も変わってくるわね
その通り
知識を深めることで、自分にあったプロジェクターを選べるよ
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